クレシダ 公演情報 シーエイティプロデュース「クレシダ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    俳優の気品を感じさせる舞台
    1630年代、2本の丸い柱や舞台上の木造バルコニーに扉、舞台中央の奈落部分から役者が出入りするなど、たぶんその当時に繁栄していたグローブ座を彷彿させる舞台セットに、そこでシェイクスピア劇を上演しているバックステージが舞台。
    かつての名優シャンクがスティーブンを身振り手振りで指導する姿はさながら男子版「ガラスの仮面」の一コマのようだったが、それを受ける少年俳優達の成長過程がお見事。その平さんと対等に演じられる若手俳優さん達の熱演の凄さにも感嘆。
    最後の場面のシャンクの表情、あそこまで悔いの無い人生を送れるかはわからないが、でも最期にあの表情を見せられるのは舞台役者としては素晴らしい人生の幕引き方なのでは。
    劇中からわかったものだけだと「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「リチャード3世」などなどのセリフが聞かれたが、あくまでさらっと、極自然な流れで発せられるので、そこらへんも古典文学エンタメ演劇作品を見ているようで、先日亡くなられた蜷川さんにも捧げられたような上質な舞台でした。

    原作者のニコラス・ライト氏の名前は今回初めて見聞きしたが、このかたが他にどんな作品を書いているのか知りたくなった。
    権利関係の都合もあると思うが、映像として残すべき舞台なのでは、とも思った。

    ネタバレBOX

    高橋洋さんが経理のディッキーと寝取られ男の2役をされたが、まさかここでフォルスタッフ風の洋さんが見られるとは!タイトルロールの一部「トロイラスとクレシダ」や、その他の劇中劇のようなものも見たかったが、ある意味、あの場面が劇中劇のそれに近かったのかな。

    シャンクを慕う少年俳優のグーフィー、トリッジ、ハニー。少年俳優が女性役を演じ、またその役を愛せるお芝居好きの若人、そこへスティーブンが出現したことで、思春期特有の人間関係の揺らぎが出てきたり、俳優としてのプライドや葛藤があったりして。また若手俳優の組合やライバルの劇場との駆け引き、若干のBL風味も感じつつ、若手組の人間ドラマの展開も面白かった。


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    2016/09/25 01:44

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