満足度★★★★★
モラトリアムはうらやましいけど(たぶん)終わりがある
芝居が進むにつれて、一人ひとりが魅力的に見えてきて、
そんな彼ら中にいたいと思わせる。
こんな感じならば、旅をするのも悪くない。
悪くないどころか、とってもうらやましい。
彼らへのうらやましさは、モラトリアムのうらやましさだ。
旅というある種の「言い訳」の中で楽しくモラトリアムな時間を過ごす人たち。
観ていて、「ああ、若いときに旅に出ればよかった」と思った。
ま、言い訳があってもなくても、どこにいても
同じと言えば同じなのだが。
同時多発的に交わされる会話の中にいると、
まるで同じ安宿のこちら側に座っているような感覚が襲う。
それは、入口に立ち挨拶する人に、
うっかりしていると「行ってらっしゃい」と
声を掛けそうになるぐらいの感覚だ。