硝子の途(再演) 公演情報 劇団ヨロタミ「硝子の途(再演)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    さすが!
    「理屈」と「感情」を秤にかければ、「感情」が重たいと思わせた公演。
    初演も観ているが、その時と違うのはもちろん、池袋演劇祭参加作品から大賞受賞になったこと。その記念公演として、あうるすぽっと という大きな劇場(昨年はシアターグリーン BOXinBOX THEATER)での上演になった。キャストの一部が変更になったが、基本的には初演時と同じメンバーである。
    (上演時間2時間10分)

    ネタバレBOX

    義理と人情を秤にかけりゃ...ではなく「理屈」と「感情」を秤にかけたら、自分の中では感情が勝った作品である。どんな形にしろ、わが子が亡くなった。この作品では中学生、育ててきた子がこの世からいなくなった親の悲しみ、その子が苛めを行い、非はわが子にあろうとも、である。親(母)として、子と向き合っていなかった、その自責の念が悲しい。育てるまでにあった色々な苦労・喜び。夜泣き、小児病気や保育園・幼稚園、また小学校時の行事など楽しい思い出もあったであろう。そういう描かれない背景に思いを馳せてしまう。

    もっていき場のない やるせない思いは、どんな形(過失致死)でも相手がいれば、そこに感情をぶつけてしまう。それが理屈に合っていなく理不尽であろうが...。

    一方、加害者は正当防衛として扱われるかもしれない。加害者本人はもちろん家族にしても犯罪者になるか否かは大きな問題であろう。にも関わらず、結果として保護観察処分まで受け入れる。それから17年の歳月を苦しみ、さらに生きている限り人を死なせたという事実と向き合っていかなければならない。

    信用や信頼を失ったら、それを回復させるには築きあげた何倍も時間がかかると言われる。この公演では社会規範、法制度と照らし合わせれば理屈に合わないところもあろうが、それらを押し退けてあまりある力強い物語(内容)であった。その感情が動かされた家族の絆...その形態は先の事件(事故)に絡んだ被害者・加害者家族はもちろん、この喫茶店”あけみ”にいるマスター(息子)とその母(息子が40歳過ぎまでミュージシャンを目指す)や、姉・弟の実父との関係を描くことによって、事件などの社会性と家族という人間性の両面から観せているようだ。そのどちらに気持が傾くか...。

    さて、あうるすぽっと劇場での公演...演技面と制作面で苦労されたようだ。演技では舞台が大きくなったため、台詞がしっかり聞こえるよう意識したという。また制作面は集客のこと。豊島区報、公演チラシにチケットプレゼントの記載など苦労がありありと伝わる(観客としては嬉しいが)。この苦労されたことが平素の小劇場公演でも活かされればと願ってやまない。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2016/09/19 14:10

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  • タッキーさん
    観てきた!コメントありがとうございます。
    初演に続き再演もご覧頂き、ありがとうございました!
    色んな意味でスケールアップした今作は、本当に苦労することばかりでした。
    今回の経験を糧に更に飛躍できるよう頑張ります!
    次回公演もお待ちしております。

    2016/09/20 09:34

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