満足度★★★★
つまみ食い感覚、楽しい短編集
初演がおよそ2年以内の比較的新しい短編の再演3作と、新作短編4作を3公演に分けて上演する短編集。
美麗さに息を止めて見つめたくなる作品、腹筋崩壊というレベルで笑いの起こる作品、席でそのまま続きを観るのが怖くなる作品、海外ドラマを観ている感覚に陥る作品……バラエティ豊かな7作である。どれもが短編ゆえに深くしみわたるような、考察に考察を重ねたくなるような作品ではないかもしれないが、ベースにある「バンタムらしさ」──ギャングやマフィアだったり、犯罪であったり、銃声であったり、家族の絆であったり、常にうつくしい瞬間が観られることだったり、音楽の妙であったり──を手軽に、存分に味わえる。そういう意味で、やはり短編集は楽しい。
当日パンフレットに全7作のあらすじ・役名・キャストがしっかり載っているのが嬉しい。有料のパンフレットには各話の「ないしょばなし」があって興味深く拝読。
一点残念なのは、劇場のつくりのため入場と物販と面会がシビアであること。
ブロマイドを大量に用意してくれているが、開演前に購入希望ブロマイドの番号を提出し支払いを済ませ番号札を受け取り、終演後に引き取りに行くシステムになっている。これは正解だと感じた。ブロマイドを買われるかたは開演前の支払いをおすすめする(強烈なネタバレのブロマイドがあるのでそこのところご了承ください)。
開演のきっちり50分前からしか受付待機列を形成できないのはなかなかのストレス。公演としてこの点が非常に気になるため、星をひとつ減らした。作品たちに対しては星5つとしたい。