そだててたべる 公演情報 演劇活性化団体uni「そだててたべる」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    少し怖いような
    第7回せんがわ劇場演劇コンクール ファイナルステージ参加作品。今回は30劇団のエントリーがあり、その中で厳選された公演の一つである。

    自然との共生を考えさせる農耕(濃厚)演劇である。自活の中に自己犠牲も厭わない教えとは何か。
    自給自足...他者(グループ)を拒み、自分たちの仲間内で寄り添い食生活する。極めて狭い人間関係の中で縮み思考になる怖さ。排他的な行動の果てに得るものは...。
    (上演時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、中央にサークルのような囲い。その中に祭り櫓のような木組み。
    その中に入っていれば他から攻撃させない。その意味でセーフティエリアと言える。逆に言えばそのエリア以外は危険地帯。この芝居でも害獣とおぼしき者が、このエリアの者を襲うシーンが何回かある。

    自分たちで育てたもの以外食べてはいけないという厳しい教えがあった。 親元を離れ、土地を見つけ、教え通りの生活を始める。 誰かが死んでも自給自足の生活スタイルは変えない。そして一人になるまで...。

    この芝居は、「食」を切り口にしたメッセージ性の強い作品。この生活における食の安全性は高いだろうが、栄養、調和(バランス)という点で問題が残る。食に絡めた分り易い人間社会が見える。この自給自足の生活は昔からの言い伝えのようであるが、その根拠の描きが弱い。物語で主張したいテーマの前提が曖昧でもどかしく思う。この誰が誰のための教えなのか。
    食=生きる は食物連鎖との関係を思う。命の尊さを尊重しながらも、いろいろな共生が必要になる。さて、「食」を「平和」に置き換えた時、色々な課題も見えて ゾッとすることも。

    いくつか考える課題が透けて見えるが、そこに観客(自分)としての想像力を掻き立てる幅を狭くするような...

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/08/03 19:10

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