ただしヤクザを除く 公演情報 笑の内閣「ただしヤクザを除く」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ヤクザの人権
    ドタバタに笑っていると、結構マジな法律の話になって
    「ほう!」「へえ、そーなのか」と感心してしまった。
    「人権」に関する解釈など目からうろこの説得力。
    底の浅い自己満足の人助けなど何の解決にもならないことを教えてくれる。
    社会や政治家の矛盾、そして大衆の感覚にも疑問を呈する
    その視点が素晴らしい。

    ネタバレBOX

    ピザマッチョの広島地区エリアマネージャーの住吉は
    呉中央署の巡査部長稲川に呼び出され、
    「今後ヤクザにピザを売らないように」と指導を受ける。
    だが呉店に行ってみると、既に常連のヤクザから注文が入っており
    今日は自分で取りにくるという。
    正面からヤクザに話してみることにしたマネージャーだったが、
    ヤクザにはヤクザの哀しい事情があった…。

    B級のつくりとキャラで展開するのだが、
    「ヤクザの人権を守ることが、全ての人の人権を守ることにつながる」
    という視点が素晴らしく効いていて、そこがキモ。

    誰からも好かれる人の人権は自然に守られるが、
    「嫌われ者の人権は法律で守らなければ誰も守ってくれない」というのは
    本当にそうだと思う。
    容疑者への人権侵害、容疑者の身内への人権侵害、
    不倫したタレントへの人権侵害…等々
    社会は“好き嫌い”で人権を尊重したりないがしろにしたりする。
    民主主義の未熟な社会においては、やはり法律で守る必要があるのだ、
    という理論は説得力大。

    ラスト、「ヤクザなんか辞めて普通の仕事をすればいいのよ」という皆の説得に
    ヤクザが返す究極の一言で芝居は終わる。
    「じゃ、元ヤクザを雇ってくれますか!?」
    誰も答えられない、誰も解決できない、この問いがすべてという気がした。

    アフタートークで高間氏が
    「ヤクザという言葉を“演劇”に置き換えても通用するように書いた」
    と発言していたのが可笑しかった。



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    2016/07/15 01:54

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