満足度★★★★
岡本玲 × 本郷奏多
朗読劇は初体験で、一体どのようなもので果たして楽しめるのだろうか? と疑問を抱いたが、
観てみるととても感銘を受ける内容だった。
登場人物は男女一人ずつで、手紙やメールのやり取りをするという設定で
交互もしくは片方だけが台詞を喋る。
決して同時に喋るという会話は無し。
台詞だけで時間や場所、環境や感情を表現するというのは、
演じる側の技量もあるけど、
落語と同じで、観ている観客の想像力だったり、
時には集中力(朗読だけでなんで)が要求される。
相手役は本郷奏多。最近ではドラマ「未来日記」で見かけた。
今日観た朗読劇は、一瞬たりとも退屈することなく適度な緊張感が漂っている、そんな感じ。
劇中だからこそ、テレビやラジオで言えないような台詞も言うことが出来るし。
一つ一つの台詞に込められた言葉が時にはグサリと胸を突き刺す、
そんな場面もあった。
ともすれば残酷で悲惨な内容を淡々と進んでいく中で
時折り感情が激しく揺すぶられる。
岡本玲は、どこか諦観している女性を好演、
感極まって涙を流す場面が一番心に残った。
ただ、ラストシーンは無くても良かったのかもしれない。
観ている側に委ねてくれても良かった気がする。