BREAK 【グリーンフェスタ2016 「BIG TREE THEATER賞」受賞】 公演情報 劇団C2「BREAK 【グリーンフェスタ2016 「BIG TREE THEATER賞」受賞】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    体感エンターテイメント...見事!
    グリーンフェスタ2016において 【BIG TREE THEATER賞】を受賞。その印象は、説明に謳っているスピード感溢れる「体感エンターテイメント」を表現。 ドラマチックに描かれる登場人物たちが創り出す胸を突き抜ける感動。」は実に見事!

    日本の戦国時代という歴史物語のような感じもするが、あくまで異次元での出来事として描いている。話が進展するにしたがい、現実的でないことは明らかになる。その描かれる根底にあるものは...。

    ネタバレBOX

    テーマ性としては、人間の本性や自然界の掟のような受け入れやすい命題...その掲げられたものが観える。それを物語の展開で実証していくようなもの。
    始めのうちは、メイク、衣装などの外見的ビジュアルに目を奪われるが、物語にも面白味があることから飽きることなく観ることが出来る。

    この公演は観客の気を逸らさないという点、テーマ性のお仕着せでなく寓話の役割を果たしている。それらの要素をしっかり取り入れたエンターテイメント作品である。

    梗概...疲弊した国に突如として現れ、時の権力者(将軍)に取り入った女・魅鬼(キキ)。彼女は秘術を駆使してあらゆる問題に対処していくが、権力者の思惑を超えて支配していく。一方両親を失いある邑で育てられた男・鎌田真悟朗は絶対防御の力を得る。ここに思慕する女性がいるが、それは邑で義兄弟の契りを結んだ男の妻。この人間的ドラマと、何年も前に起こった神秘・猟奇のような力を持つ”腕”。そこに宿っているのは絶大な力。それを手に入れた将軍、家臣団といつの間にか救世側に立つ魅鬼とその仲間との戦い。その力・邪悪なウイルスを駆除するという社会派ドラマの様相になる。その人間味ある物語と社会的要素を含んだ寓話のようなものが融合した話。

    演出は、ダンス・パフォーマンスで魅せる。必ずしも”殺陣の力”ではなく、”剣舞”のような観せ方である。展開している場面...戦闘・対決シーン、思慕・恋愛シーン、回想シーンなど、場面に応じて伝える手法、臨場感、雰囲気の作り方が巧い。例えば、対決または対峙する場面は段差のある舞台装置を上手く利用する。客席からは一直線上に重なるキャストを上段・下段に配置することで、その姿が重ならないようにしている。同時に多くにキャストが登場する場合には、敵・味方のどちら側の人間か明確にする。要は観客が物語に追い付けるようにしている。それは観客を舞台上にのせ体感させ、一方話に同化し過ぎないよう俯瞰しているという視点も兼ね備えているようで、相当観せる工夫をしている。

    この物語で、大きく感情を揺さぶられたというシーンはなかった。エンターテイメント性、観客に観てもらうというサービス精神に溢れた公演...そこが最大の魅力であったと思う。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/06/13 23:30

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