椿姫 公演情報 カンパニーデラシネラ「椿姫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    花の命は短くて
    マルグリット役の崎山莉奈は、ボブヘアーの美しさが目を引いた。娼婦は赤か黒のドレス、髪は長いものをまとめあげるのがオーソドックスでいいと思っていたが、青いドレスでボブヘアーのマルグリットは、かよわさよりも、自立したきっぷの良さを感じることができた。一人だけ、台詞のないダンサー(鈴木奈菜)がいて、体の張り、芯のバランスが際立っているなと思ってあとで調べたところ、Noismの研究生という経歴を持っていた。椅子を引き合う冒頭の振付けが印象的。身体能力を、あからさまに見せつける感じがないのに、強靭で美しい。古典をみごとに、若い俳優の体に落とし込み、スタイリッシュではかない『椿姫』を作り上げていた。

    椿の花の降りしきるラストシーンでは、思わずこの言葉が脳裏をよぎった。「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」。しかし、若さを心に焼き付け、恋の憧れを永遠のものにするには、いちばん美しい瞬間に死ぬことがひとつの方法なのである。そういう説得力が、本作にはあった。

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    2016/06/13 23:02

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