満足度★★★★
講談社は公認すべきでしょ!
『あしたのジョー』って、数年前、某コーラ飲料 のイメージ・キャラクターに起用されてたけど、世間一般は「男臭い」ってわけでさ。驚いちまったのは客席よ。「丹下のオッサン」そっくりな中年男性が数人いらっしゃり、終演後はさ 昭和風情で錦糸町までの道のりを跋扈してんのよ。もうちょっと めかけの肉体してたら「おい、ジョー!!」なんて声かけられたろうよ。
め組の常連ばっかし じゃなかったのさ、きっと。ガキだった時分、漫画やテレビ・アニメで『あしたのジョー』に熱狂したドンピシャ世代だと思うのよ、「丹下のオッサン」組は。
おいらが何に号泣しそうになっちゃったって、力石役の「役作り」さ。あの俳優は 普段は ぽっちゃり体型で、お世辞にも「減量中」じゃないのよ。その俳優がさ、(ジョー役含めてだけど)若い娘を興奮させちまったわけ。
ハリウッド映画で「役作り」の雄と称するロバート・デニーロは、聴いた話によるところでは頭部まるごと脱毛したそうだぜ、毛根ごと。後々のキャリアでは大幅なマイナスだけど、「一作品に もてる魂 ぜんぶ、注入する」っていう見本市の示しよ。
俳優陣も「ちばてつや先生」に叱られない舞台を目指す気持ちに溢れていたよな。もうちょっと め組の「らしさ」を強調してもよかった、ようするに外してもよかったけど、その上演時間を確保できるなら 後半はしょるなよ、っていう議論も アリだわ、これ。