悪名 The Badboys Return! 公演情報 ココロ・コーポレーション「悪名 The Badboys Return!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    貫禄の朝吉親分
    沢田研二の親分、ってどんなんかしらと思ったがこれがドハマりで素晴らしかった。
    流れるような河内弁の侠客、八尾の朝吉のキャラが魅力的で、会場の盛上りも納得。
    音楽劇としても声量ある歌声が力強く、ラストの「河内音頭」の熱唱が泣かせる。
    座長としての貫禄あふれる舞台だった。

    ネタバレBOX

    冒頭、復員して来た朝吉と、死んだものと思って再婚していたお絹の再会から始まる。
    人の女房になったお絹の前から潔く姿を消した朝吉は、その後侠客として名を上げる。
    ところがその後、お絹が女郎屋に売られ、ある男と足抜けして逃げていることを知る。
    縁あって二人を探し出すことになった朝吉は、その訳を知り二人を助けようと奔走する…。

    戦後はこういうこともたくさん起っただろう悲劇、それをぐだぐだ引っ張らずに
    冒頭からテンポよく見せて、朝吉の潔いキャラに惹き込む。
    その後の彼の行動が自然と納得のいく展開になっていく。
    情に厚く弱い者を放っておけない、逆に強い者に対して一歩も引かない親分肌が
    今の時代に照らしても“理想のヒーロー”として描かれる。
    朝吉が非常に魅力的なので、お絹が心の支えとし、子分が運命を共にする
    といった心情に自然と共感できる。

    お絹役いしのようこさんのたおやかな女房ぶりがとても良かった。
    役名と俳優さんの名前が判らないのが残念だが、達者な役者陣で隙の無い安定感。
    演奏がパーカッションとギターの2人だけとは思えない迫力でこれも良かった。
    各地を回り最後が東京公演とあって、歌・ダンスも乱れ無く、完成度の高い舞台だった。

    ラストの河内音頭の力強さは圧巻。
    元女房を汽車で見送る切なさと、お絹はきっと戻ってくるという希望溢れるラストだった。
    人生の後半にぐんと幅を広げ、こんなに豊かな世界を創る沢田研二という表現者に
    改めて凄さを感じる。
    “ジュリーが侠客”ってこれだけでも極上のエンタメだが、この貫禄ある親分ぶり、
    Vシネでシリーズもいけるんじゃないか(笑)

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    2016/05/24 17:52

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