許されざる者 公演情報 シンクロ少女「許されざる者」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    艶笑譚...男女の卑小な欲望が見える【ハッピーエンドVer】
    この物語は、コミカルな演出にしつつも人間(夫婦)の在り方を冷徹に見直す、そんな普遍性を盛り込んでいるように感じた。それは上辺だけを見ていない。夫婦である前に「女」、「男」という生殖が先立つような色気を漂わせる。その匂(臭)い立つような空気は、ケンカでもすれば臭い冷気、仲が良ければ匂う暖気という寒暖がしっかり観てとれ、なぜか頬が弛んでくる。その笑いを誘う演出と役者の息の合った(シンクロするような)演技が実に心地よい。ケンカはしているが、一本ネジが弛んだような脱力感溢れる夫婦、元妻と現妻との間を行ったり来たりしている割には、地べたに足が着いた男を中心にした奇妙な夫婦。この2組の夫婦の生活観(感)、呼吸、リズムが伝わるような錯覚に陥る。

    ネタバレBOX

    舞台設定(セット)は、マンションの上下階の2組の夫婦。同じマンションといっても間取りは異なるようだ。上手は上階...ダイニングセット、中央にこの上階のベランダをイメージした手摺。下手が階下...和室(畳)に座卓。周りは家屋の木枠組みのようで、意思疎通の良さか心の隙間風か、どちらであろう。

    上階に、下階の夫婦ケンカ(不倫原因)の声が筒抜け。そしてその妻が腹いせに上階の夫と関係を持つ。そのうち互いの夫婦は公認して、互いのパートナーを変え嫉妬を煽るような性感覚をもって交情を重ねる。性欲と生殖が綯い交ぜになって生存を主張してくる。この描きが官能的であり濃密である。夫婦の交情という外装の内に秘めているであろう台詞の数々が、笑いの中にあっても魔術のような陶酔感を与えてくれる。

    夫婦の存在が相互不信に根ざす限り将来は危うい。また一見ものわかりの良い夫、都合の良い妻を演じたところで、いずれは夫婦関係は破綻を招くと思う。それを繋ぎとめるのが子どもの存在。このハッピーVerでも懐妊した子の父親(夫か相手の男は判らないという苦悩はある)が救いのようである。

    さて、この後日談が気になる。子の成長に伴い、夫に似ていない現実を前にした時、子は鎹(かすがい)ではなく、夫婦関係を危うくする原因になることは容易に想像がつく。本当にハッピーか...。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/05/18 08:05

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