満足度★★★★
【女を読む。】…堪能した!
生産に関して「分業」と「協業」という言葉があったが、「読み」と「演じ」という制作においては、その役割が明確で面白い観せ方だと思った。自分が鑑賞したのは「女を読む。」であるが、それは女性作家の4短編小説である。その全編を貫く背景は、離婚しようとしている夫婦の目を通して描かれる。知っているようで、本当は何も知らない夫と妻が、離婚するにあたり部屋を整理する。その際、手にした相手の愛読書...そうか、こういうジャンルの本が好きだったのか。そしていつの間にか本を「読む。」...
この夫婦の関係を通して、普遍的な男女の「愛」、「燃え(萌)の愛」、「母性?の永遠」、「結婚とそれ以前」を突きつけてくる。
朗読はその「音読」から情景を想像し、「演じ」はその「視覚」から物語を具象する。どちらも楽しめるが、本公演では朗読で、話筋を理解し心情・感情を楽しむ。一方、「演じ」はその外形・外景でよりイメージを鮮明にする。心身の二面性を別々の手法で表現しており、心象形成は深いように思う。