アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★ 公演情報 KAKUTA「アンコールの夜★ご来場ありがとうございました★」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    【女を読む。】…堪能した!
    生産に関して「分業」と「協業」という言葉があったが、「読み」と「演じ」という制作においては、その役割が明確で面白い観せ方だと思った。自分が鑑賞したのは「女を読む。」であるが、それは女性作家の4短編小説である。その全編を貫く背景は、離婚しようとしている夫婦の目を通して描かれる。知っているようで、本当は何も知らない夫と妻が、離婚するにあたり部屋を整理する。その際、手にした相手の愛読書...そうか、こういうジャンルの本が好きだったのか。そしていつの間にか本を「読む。」...

    この夫婦の関係を通して、普遍的な男女の「愛」、「燃え(萌)の愛」、「母性?の永遠」、「結婚とそれ以前」を突きつけてくる。

    朗読はその「音読」から情景を想像し、「演じ」はその「視覚」から物語を具象する。どちらも楽しめるが、本公演では朗読で、話筋を理解し心情・感情を楽しむ。一方、「演じ」はその外形・外景でよりイメージを鮮明にする。心身の二面性を別々の手法で表現しており、心象形成は深いように思う。

    ネタバレBOX

    朗読は登場人物・私の一人称で語る。こんな話(筋)であるという説明、そして心情も聞こえる。芝居は、貴方という二人称、彼ら・彼女らという三人称となり立体的になることで魅力が増す。朗読の行間が埋まり想像の範囲が狭まるが、視覚による理解度は深まる。

    女性作家の目線による話
    ①「エイコちゃんのしっぽ」( 川上弘美)
    ②「生きがい」(小池真理子)
    ③「炎上する君」(西 加奈子)
    ④「いつか、ずっと昔」(江國香織)

    この朗読、そして演技を行う役者の力量は凄い。約2時間(前説では、1時間55分)が短く感じられるほどである。また、話ごとに舞台セットも変化し、観ることの楽しさもある。この企画は12年目を迎えるという。ぜひ、長く続けてほしい。
    正直、「男を読む。」「猫を読む。」も観劇したいところである。

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    2016/05/08 21:32

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