ラット13 公演情報 キコ qui-co.「ラット13」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    衝撃、感動、やりきれなさが入り交じる
    ■ ラット13の感想
    (5/2~千秋楽まですべて見ました)
    春名風花さんのご出演なさるすべてのお芝居が観たくて、
    予約申し込み観劇しました。
    お芝居の内容自体の感想は後ほどネタバレのほうで。
    春名風花さんの舞台を観劇するのは今回で3公演目。
    ただ、ただ、成長がすごい!と感じました。
    声優として、女優として、次々と力を手に入れ、吸収して、
    自分のものにどんどんしている。
    そう感じる度に、応援することしかできない私ですが、
    涙がでるほどに嬉しいです。確実に夢をつかんでいるんだなと感じて。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    春名風花さんは、和美役。今回も等身大役かな。
    私は、あらすじを読まず、予備知識も持たずして、
    舞台から感じ取ることが、好きなので、
    今回もそのようにして観劇しました。
    予備知識による雑念で、役者さんの心の声が、
    聞こえなくなるのも嫌なので。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    序盤。はじめは、思春期を迎えた普通の女の子なのかなと思っていました。
    山田さんの口からある言葉がでるまでは。
    学園風にしては、しつれいながら、あまりにもな感じだったので(汗)
    話が進むにつれ納得。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    春名風花さんが演じる和美さん。
    というか、春名風花さんとしては感じず、
    和美さんそのものに感じました。
    素直に、ポニーテールが似合うかわいい女の子。
    一瞬とまどう。和美さん誰かに似ている、誰だろう??
    あ、春名風花さんが演じているんだった。
    何がというのは難しいけど、オーラは、春名風花さんだったので、
    途中、和美さんと、春名風花さんを混同して観てしまいました。
    読書や、夢見る乙女というところが、あまりにもかわいくて。
    大人、ベテランに引けをとらない迫力の演技。
    だから感情移入もしやすく、内容などが入ってきました。
    途中、春彦さんはガキ大将に見えました。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    たががゆるみだすというのが正しいのかわかりませんが、
    和が乱れ始めたのは、鈴目さんが1人1人に話し始めた他人のタブー。
    それがきっかけで、恐ろしい事態に。
    春名風花さんすごい!!
    和美さんの心の痛み、恐怖、愛おしさすべて伝わってくる。
    恐ろしい子だけど、悩みを感じ取ってなんとか見守ってあげたい。
    体をふるわせながらそう感じていました。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    でも、そばには、滋さんがいるんだな。
    手を取り合う2人をみながらそう思いました。
    事態は急変。血まみれ・・・。
    覚えた護身術と鈴目さんの何かの知恵が、
    和美さんの願いをかなえた。恐ろしい形で。
    それをきっかけに狂い出す歯車。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    私は、これはお芝居。
    大丈夫と恐ろしさをかき消すので精一杯。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    この迫力は、回をおうごとに増してきて、
    カーテンコールの笑顔を見るまでは、
    途中からふるえていました。

    残念に思ったのは、時間がおしすぎて、
    アンコールや、役者さんとのお話ができなかったこと。
    お話したかったな。
    でも、感動をありがとうございました。
    テーマは複雑に絡んでいると感じました。
    知りたい好奇心と、知ってしまった後悔。
    複雑な人間模様など色々感じ取れて、
    怖かったけど面白いとも感じました。
    また機会がありましたら、是非見て見たいです。次回作も。
    再演も強く希望します。できれば映像でも欲しいです。
    素晴らしいお芝居をありがとうございました。
    色々私信を含めすみません。
    また乱文失礼しました。

    全体的な感想は、ネタバレの方に書きます。
    ありがとうございました。
    (星が少ないのは、次回への期待を込めてになります。

    ネタバレBOX

    全体的な感想。長いです。独断と偏見があるかもしれません。
    感じたままに書きますので、設定と異なっているところが
    あるかもしれません。ご容赦を。

    私は、とある施設での出来事で、
    13号棟はもちろんのこと、4号棟すらもないと感じました。
    つまりは、閉鎖された実験施設の中でのできごと。
    そう感じていました。

    それは、和美さんの台詞で、4号棟があるのだから、
    1~3号棟まであるんじゃないかといわれていて、
    13号棟の存在を知らないこと。
    13号棟の人?たちは、4号棟などを知らないことなどから、
    そう感じていました。

    13(海外の不吉な数字)、4(日本の不吉な数字)
    外国という表現もあったことから、
    ネズミたちの世界13号棟は、異国の地として、
    4号棟は、日本として扱われていたのかなとも感じました。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    さて感想ですが、怖い世界と感じていました。
    はじめは、13号棟と4号棟をピックアップしたお話かと思っていましたが、
    不吉な数値でつながっている。
    ただ、別世界として、存在させるため、
    夢を見ることは許されるけども、
    未来はないよ感じさせる数字。

    互いに交わることがない世界。
    でも、あるものでつながっている。

    4号棟側は、送信し続け、
    13号棟側は、受信を続ける。

    それは、記憶や意志をすり替えて、
    一方的に送り続けられている。

    話が進むにつれ、そう感じて怖くなっていました。

    13号棟は、実在しない架空のネズミたちの部屋。
    4号棟は、実在するが、死刑囚たちの部屋。
    どちらも、本当の意味での外には出られない部屋。

    そして、電波というもの以外では、
    つながりがないお互いの世界。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    片やピクニック。片や花見ではじまり、
    どうつながるのだろうと、ワクワクしていた、
    序盤のOPを見るまでは。

    何気ない、楽しいはずのひとときが、
    警告音と耳障りな雑音で打ち消され、
    1人が倒れる。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    13号棟編の時は、そでに消えないで話が進む。
    何でだろうと気になっていた。
    演出が細かいというか設定が細かいというのか、
    それには大きな理由があった。

    13号棟の話は、ネズミたち。
    つまり外に出られないのだ。
    枠の中で話が進み、枠の中で話が完結する。
    リセットエリア
    (外に出たまね。そのエリアを抜け出す位置をそう呼ぶことにする)。
    そこに移動すると、その人(ネズミ)は消える。
    厳密にはいるが、その人(ネズミ)は機能を停止され、
    周りの人(ネズミ)には、見えなくなる位置。

    あるプログラムが、正常に動作している間は、
    誰も気づかずに、繰り返される動作。
    1人(ネズミ)を除いては。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    ヤマダさんとカワカミさんの会話が進む。
    ヤマダさんが持つ携帯は、カワカミ(ネズミ)さんに話しかけるための媒体。

    ヤマダさんの言葉を、カワカミ(ネズミ)さんは理解できる。
    逆は、その媒体がないとヤマダさん、つまり本物の人は、
    カワカミ(ネズミ)さんの言葉を理解できない。
    その媒体が文字として伝達しているようだった。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    でも、人によっては、動物の言葉を理解できたり、
    動物とお話しできたりする人がいる。
    その伝達ほうが解析されツール化されれば、
    誰もが、動物とお話ができるようになるかもしれない。

    でも、人は、目的のためなら、弊害を無視することが多い。
    その人たちの世界を壊すことがあるのは嫌なので、
    その辺の科学は発展しないで欲しいと考えてしまう。

    ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

    人(4号棟)の監視員であるヤマダさん(でも実は同じ死刑囚)
    ネズミ側(13号棟)の監視員であるカワカミ(もう1人の鶴田の意志)

    「トロイメライ」といわれる音楽が流れる。

    その曲の意味がわかるにつれ、
    その曲よ流れないでくれと願うようになりました。

    13号棟編では、リセットエリアで動きが止まる不可解な行動。
    でも、ネズミたちに埋め込まれた意志は育ち始める。
    それぞれ役割を持った意志。しかし育った意志は保存されていない。
    脳に伝達している意思は操作できても、
    動物の本能まではコントロールできない。
    確か、理性は人間にしかないと聞いたことがある。
    新脳と旧脳。解明されているのはほんの一部ときく。

    設定とは違うかもしれませんが、
    私は、恋愛という人間としての感情が、
    ネズミたちの脳を激変させた。そう感じました。

    知識だけでは、理解できない本能と理性。

    人間たちは、実験のもとで行程を繰り返す。
    でも、意志を与えられたネズミたちは、
    心も育つ。人間として。いわば新脳的要素が入るのだろうか?
    あくまで架空の話ですが(^-^。

    そのため、環境設定プログラムと、
    育った意志の脳にギャップがでる。
    人(ネズミ)の入れ替わりの際。

    エラー。無視されたまま進む。
    データと、人間としての意志の葛藤がはじまる。歪み。

    監視員、伝達者のカワカミさんは、
    唯一人間と交わせる立場にあり、人間に恋をした。

    コントールに自我がさらに生まれる。
    研究者側の意図と違った形で結果がでるようになる。

    ここで疑問。この研究を始めてからいくつか歪みが生まれていたはずだが、
    そのようなお話はなかった。いや、記憶がリセットされているから、
    受ける方が同じ人だと言い聞かせていたのかな。
    台詞に、「誰でもないあなたに、これはこういうことだから、間違っていても覚えて!」
    という台詞がありました。プログラム上では、間違いだからエラー。
    でも、人にとっては、その間違いが大切な思い出として生きる。
    プログラムは、作り手側が作るのでなく、
    行動する実行者がそのときに応じて入れ替わる仕組みでないと、
    その人?は生きない。血の通わないロボットと同じ。

    だけど、その大きな力も、それがなんなのかがわからないと脅威にすぎないのかも。
    そう思えたのが4号棟のお話。
    愛情自体か、感情なのかその内容が理解できないと、
    怖さしかないのかもしれない。
    和美さんは、お話の中で、かなえたい夢の中で恋愛を最後にもってきた。
    ヤマダさんは、順番おかしくないかといっていたけど、
    私的には、その感情が怖かったんだろうなと。

    滋さんは、理解していたけど、和美さんの感情が怖くなった。
    よって、ユーザの1人として、パソコンを操作。

    仮説であるけど私は、ここでいうユーザーって、
    裁判員見たいに選ばれた人か、本来の監視員で、
    滋さんは、ヤマダさんからそのパソコンを手に入れていた。

    一見、花見とか楽しそうな雰囲気もあったけど、
    「脱獄」とか「監視カメラ」とか「状況報告」とか、
    その台詞からも閉鎖的などこかと感じられた。

    自由があるように見えて、自由を奪われている空間。
    しかも接触は、実験用ネズミか囚人たちだけで、
    警察官などのあからさまな監視は近辺にはいない。
    だが、ある一定の外に出ようとすると、
    脱獄とみなされて、銃で撃たれる。

    体に埋め込まれている送受信機は、
    命を絶つ力も備わっている?

    なんか、思い返すと辛くなってきました。
    昔、死刑にするくらいなら、臓器移植提供者にという
    バカなことを考えていましたが、
    色んな面で難しいもんだい。

    何というか、教えられて知っていて法を犯すのは罪に感じるけど、
    教えられずにきて、ただ生きるためにそうするしかなかった。
    鶴田さんが、和美さんにした行為を・・・。
    かといって、和美さんの行為も・・・。
    結果が出ない、出せない、単純には。と思います。

    命の天秤。きっと、健常者であれば、
    どんなに罪深き人であったとしても、
    その命を法のもとでてにかけるのは、
    そうとう精神がまいると思います。

    話が飛んじゃうけど殺処分も!!

    感想を書いていて、気分が悪くなりました(汗)
    命の重さを感じ取ってくれる人が増えるといいなって思いました。

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    2016/05/08 00:20

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