わかば 公演情報 うさぎストライプ「わかば」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    ほぼ何も感じず、ただぼんやり見ていた
    75分ぐらいを……。

    ネタバレBOX

    「わかば」と言う名のゴトーを待っているような作品なのかと思ったら、そうではなかった。「待つ」ことにはあまり意味がないようだ。

    ロープと赤いハイヒールの男という設定で、板付きで舞台の上にいる様子が、いかにも「つくりました」という感じで、最初から「あ〜あ」な印象だった。
    まあ、徐々にその理由が明らかになるだろうな、と思っていたらその通りだったし、それほど「へぇ」とも思わなかった。

    「それで……」としか思えず、なんとも薄っすい印象で、75分ぐらいをぼんやりと見るだけだった。

    男が妹・ふたばをいきなり蹴り、ハイヒールで殴るシーンには、狂気を感じてこれから面白くなるぞ、と期待したが、それもあまりにも意味がありすぎてつまらなかった。殴られて倒れたふたばが、マイクを持って歌い出すところでは、「おっ! 面白くなってきたぞ」と思っていたのだが。

    いきなりのこの暴力シーンは、実は男のほうから妹・ふたばを求めていたのではないか、とあとからわかるのだが、それとのちの男の行動が結びついていかない。
    「ベッドの下に…」という展開は悪くなかったのだが。

    男は1日中後ろ手に縛られているわけだから、「トイレはどうするの?」の観客に思われた時点で、舞台上の世界観が作り込まれていないのではないか。
    少なくとも私は「トイレはどうしてるのか?」と思った。ずっと縛られて食事も取らせてもらえずにいたときも。

    そんなことは関係ないぐらいの不条理感が舞台の上にあれば、そんな余計なことは思わないし、思っても納得できる。また、ある程度、(観客側との)現実と地続きとして舞台の上を成立させたいのであれば、そんなどうでもいいころを含め不都合なこともうまく適当にかわしてほしい。

    女に対して従順な男が、(前の)妻・わかぱに求められたことを素直に実行して、また、その妹・ふたばに求められれば、その通りに実行しただけにしか思えなかった。
    「従う」こと、「縛られる」ことにそれ以上の意味を見出せなかったからだ。

    もちろん、男女の関係以上に、人間の関係や、拘束についてなど、いろいろと深読みすることも可能だが、深読みしたいと思うほどの面白さが感じられなかった。

    縫いぐるみを使った食事も、最初は「!」と思ったが、2回目からすでに飽きていた。
    例えば、こういうところを徹底的に面白くするか、あるいは徹底的にうんざりさせるかのどっちかにしてほしい。乾いた笑いでも起きればなあ、と。

    いろんなところで変な間があって、それがなんか気持ち悪く、気持ち悪さを意図して、変な間を設計してあるようには思えないところが、また気持ち悪くって、どうも楽しめなかった。
    役者の出し入れとか、位置とか、まあそんなところが微妙すぎたのではないか、舞台の上に変な緊張感が欲しかったので、そのあたりは精緻に設計すべきではなかったのか、と。照明も含め。

    せっかくの役者の身長差も、なんかもったいない。

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    2016/05/03 06:33

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