満足度★★★★
もう少し重厚さがあれば素晴らしい
孤島にある刑務所監獄内が舞台。新宿眼科画廊という小空間はその演出にピッタリである。タイトル…パピヨンはこの芝居を象徴する。さて、同じように「パピヨン」(1974年 日本公開)という映画があったが、その内容は異なる。この監獄内で交わされる会話は、自制または内省するような感じである。
この公演(監獄内)の入場券は番号(自分は1144)が記載されたシールであり、役者が着ている囚人服にも同じ桁の番号が縫い付けられている。もちろん観客も囚人となり俯瞰していることになる。挟み客席で、舞台中央にテーブル、椅子が置かれている。床にはジクソーパズルのピースが散乱している。灰色の汚れた壁、その一角に鉄格子の窓。全体的にモノトーンな照明。時折、窓照明の明暗で時間経過が分かる。音響は始終波の音と海鳥の泣き声が...。それら全体が孤島の雰囲気を表している。効果音以外は独り言、会話(他者を寄せ付けないような毒(独)舌)である。
この公演は、限られた人間関係に中に大きな世界観と心魂が表現されていたようだ。