「 肉弾 」ご来場ありがとうございました。 公演情報 演劇ユニットG.com「「 肉弾 」ご来場ありがとうございました。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    見事に映画を舞台化していたなぁと感心
    人間賛歌で噤む異色の戦争舞台がよく表現されていました

    観客は結構年配の方が多いかなぁと
    (高齢&若年の2極化していたように見受けられました)

    面白いと悲しいとが何か絶妙に混ざった感がユニークだった約1時間50分

    ネタバレBOX

    舞台セットとして既にラストのドラム缶=銀色の新品に括りつけられた魚雷が配置されていました。 そして最後の特攻シーン後の漂流現場から回想風に物語が語られてゆきます・・・。(開演前からのBGMは波音のみ・・)

    昭和二十年の盛夏。魚雷を脇に括りつけたドラム岳が、太平洋に漂流していた。この乗組員、工兵特別甲種幹部候補生の”あいつ”は、まだ終戦を知らなかった。あいつが、ここまで来るには可笑しくも悲しい青春があった。演習場のあいつ。候補生たちは、みな飢えていた。あいつは、めしと死以外を考える余裕はなかった。乾パンを盗んで裸にむかれたこともあった(反芻の小芝居がけっこうインパクトあったさぁ)。それから、広島に原爆が落ち、ソ連が参戦した。そして予備士は解散され、あいつら候補生は特攻隊員にされた。一日だけの外出を許されたあいつは、無性に活字が恋しくなって古本屋へ行った。だが、活字で埋った本は、電話帳だけだった。。そこには、B29に両腕をもがれた爺さんと観音さまのような婆さんがわびしく暮していた。店主に薦められた本は「聖書」で、あいつは気に入って代金を払おうとするが、店主はションベンを手伝ってくれればタダでよいと・・・。手伝うあいつ。 あいつは、やりきれなくて焼跡の中の女郎屋に飛込んだ。けばけばしい女たちの中で、因数分解の勉強をしているおさげ髪の少女(=ウサギ)が、あいつに清々しく映った。だが、あいつの前に現われたのは、前掛けのおばさんだった。再び雨の中へ飛出したあいつは、参考書を待った少女に出会った。なぜか少女はついて来た。やがて二人は防空壕の中で結ばれた(なかなかにインパクトあるシーンでした)。翌日のあいつは、対戦車地雷(明日本物の火薬が届くまで砂で代用しての予行演習)を抱えて砂丘にいた。少女、古本屋の老夫婦、前掛けのおばさん、そして砂丘で知りあった少年。あいつが死を賭けて守る祖国ができた。そして、その夜の空襲で少女が死んだ。それから、作戦が変更されあいつは魚雷と共に太平洋に出た。あいつは、ドラム缶の中で少女を殺した敵をじっと待ったが、敵機の機銃掃射を受けて、彼のメガネは飛び散ってしまった。日本は敗けた。だがあいつはある朝、大型空母を発見した。あいつは執念をこめて九三式魚雷を発射したが、魚雷は泡をたてて沈んでしまった。それから間もなくあいつは、空母と錯覚したし尿処理船に助けられ、終戦を聞かされた。し尿処理船に曳航されながら港に向かったあいつだが、腐ったロープが切れてしまい取り残されてしまった。しかしあいつはそれに気づかずに怒号していた。それから二十年余、海水浴客で賑わう同じ海に、ドラム缶が浮いていた。その中で、北極を回って冷凍されたあいつが発見される・・・・。(映画ではドラム缶内で白骨化してましたが) ・・・・・その後、解凍・・・蘇生したのか・・・・”あいつ”はドラム缶から出て劇場の隅のエレベーターに乗り退場して終劇です。

    可笑しみありインパクトあり
    こんな反戦の表現もあるんだなぁと感心しました

    勝手な想像ながら”あいつ”は敵兵を殺したいのではなく
    敵の使う武器の破壊=無力化がしたかったんだろうなぁと解釈しました

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    2016/03/26 00:11

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