ストアハウスカンパニー『Remains』 公演情報 ストアハウス「ストアハウスカンパニー『Remains』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    見巧者向けか...とりあえず感性で
    タイ:B-floor 『Red Tanks』 、Democrazy Theatre Studio 『Hipster The King』
    日本:ストアハウスカンパニー『Remains』 の3つのカンパニーの公演のうち、2本立。自分は日本:ストアハウスカンパニー、タイ:B-floor を観賞。

    両方の公演は、その伝えたい枠組のみを提示し、外形の作り込みは観客に委ねる、そんな抽象的なものを感じた。その意味するところを正確に受け止めているか、その意を汲み取っているか、ということを考えた場合、随分と息苦しさを感じてしまう。観ている内容はそのまま無条件に受け入れる、という情報の垂れ流し的な思いで観るのも嫌になる。
    人間の五感の演劇を見ているが、その大部分が視覚に頼っている。その(自由)に感じることの面白さは伝わる。

    映画「イヌジニ」のコピーで、首輪をはめられることによって「自由」になれた、と言った趣旨のことがあったが、まさしく視覚に頼るだけ(それも大切)、そんなことを感じさせる深いイベント公演。

    ネタバレBOX

    日本:ストアハウスカンパニー『Remains』… 複数の登場者(キャスト)は、パンストのようなものを頭から被り全身を被っている。そして始めは全員が繋がり、前後・左右に歪になったりして形を変えながら進む。そのうち、その被りものを破き姿を現す。その後、舞台奥に積んである多くの衣類を散乱させ、または包まったり、高く投げたりする行為。登場者はそれらの動作を行うが、必ずしも揃っていない。基本的な動作であるが、その形容は自由。自分は、多くの卵の産卵、ふ化し、自由を謳歌するというイメージを持った。

    タイ:B-floor 『Red Tanks』 … 一人の登場人物は、ランダムに置かれている赤いタンクの一つから出てくる。そのうち、タンクを並べたり、転がしたりして遊びだす。嬉しそうであるが、その行為は何時までたっても一人のまま。自分は孤独・断念・追想・死(赤=血)のイメージを持った。

    日本、タイ両国の演技はどちらも表意があることは感じられるが、その表現は抽象的であり、自分には真意を汲み取ることは難しかった。

    人の五感...風景は目で見、音は耳で聞く、鼻は匂いを嗅ぎ、舌で食事を味わう。そして物を触り感じる。五感は個別化して機能するのではなく、相互に密接な関わりを持ち外界と接している。

    この公演は、それらの要素を超えた第六感、またはもっと違う何かで思い感じるもののようだ。その意味で無意識の”慣性”で観ている公演(芝居)とは一線を画し”感性”を豊かにして観るべきものかもしれない。

    ちなみに、当日パンフの説明抜粋すると、
    日本:「Remainsには、いわゆる一般的な演劇においていわれている「役」がありません。:Remainsは役を放棄し、あるいは奪われ、人間を徹底的に固体としてみることを強要します。それは自らを家畜化してしまった人間の感覚、感情ではなく、動物としての人間の感覚、感情を感じてみたいというRemainsの欲望に他なりません。Remainsの虚構の水準はそこにあります。」と結んでいる。

    タイ:男はRed Tankに入れられた後、生き延び、忘れられない記憶と共に目を覚ました。Red Tanksは、違法であると当局に判断された犠牲者の物語である。これは40年前にタイ南部で実際に起こったできごとに触発されている。

    次回公演を楽しみにしております。
      

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    2016/03/05 18:16

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