星の果てまで7人で 公演情報 トツゲキ倶楽部「星の果てまで7人で」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    宇宙空間における人間ドラマの秀作
    会場入り口にアーチ型の電飾があり、スタッフに聞いたところゲートだという。細かいというか遊び心のある演出である。場内はもちろん宇宙をイメージするような暗幕が...。

    観劇した2016年2月24日の某新聞に油井亀美也 氏の国際宇宙ステーションから帰還した記事が掲載されていた。その滞在日数は142日だったようだが、本公演のホームシックになった宇宙飛行士たちは...
    (上演時間95分)

    ネタバレBOX

    地球を発って4年になる。そのクルーたちの登場は一人ひとり箱を持ち、下手から上手に一列に進む。暗幕で囲った素舞台、暗転すると暗幕にある電飾が光り宇宙空間が出現する。その幻想的な雰囲気の中で、クルーの一人・マリナ(佐竹リサ サン)の「地球へ帰りたい」という禁句がもれる。理由は単純...地球にいる彼氏に逢いたいという。忘れていないか心配だという。この思いが公演の機微に触れ重要なところ。ラストの感動シーンに繋がる伏線にしており見事な演出であった。宇宙というSFをイメージさせるタイトルであるが、根幹は人間ドラマである。

    クルーと地球(基地)との交信は「新年」と「誕生日」の年2回のみ。そこへ不思議な交信が...それを契機に東西南北の各国からの代表という自国(民族)意識が目覚める。地球を俯瞰しながらも、国の代表という自覚に捉われるところが人間くさい。祖国に何かあったのでは、という疑心暗鬼がホームシックに結びついて、帰還するか会議することになる。この決議は全会一致がルールであるが、会議の都度、賛否票が分かれる。このドタバタを通して、過去から現在まで、世界のいずれかで起こっている紛争を考えさせ、将来にあってはその愚かしさを警鐘する。まさに宇宙的規模の考え方に収斂していく。

    冒頭の箱は衛星機(基)という設定であり、クルーは意識人格という非実在性、地球には実在する本人がいる、という不思議なもの。地球に帰還すれば心身一体になるのだろうか?クルーの一人・さくら(前田綾香サン)は地球を発つ時には末期癌に侵され余命わずか。今はもう亡くなっており、帰る場所(体)がない。それでも残された家族は彼女のことを忘れず、いつも想っているだろうと...。結局、7機(基)の衛星基は永久の宇宙探索を続けることになるのだが、8人目は時折意識下に入ってくる”おばちゃん”、その正体は如何に(エイリアンか?)

    この宇宙における人間ドラマ、キャラクターをしっかり立ち上げ観せる公演になっている。先に記した油井氏が帰還して思ったのは、宇宙ステーションでは意識しなかった重力を感じた時、「地球に抱きとめられているような気がした」と。その言を借りれば、この公演は「温かで大きな心に抱かれているような気がした」である。ただ一つ、自分的には大きな盛り上がり、インパクトという印象付けが弱かったような気がしたのが残念であるが。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2016/02/24 18:18

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  • 前田綾香 さま

    返信が遅くなり申し訳ございません。少しバタバタしておりまして…。
    公演お疲れさまでした。
    着想というか発想の豊かさに驚かされます。そしてトツゲキ倶楽部らしい捻りと優しさがしっかり入り、とても面白かったです。
    トツゲキ倶楽部の公演は、ハズレがないので、安心して知り合いに勧めることができます。
    次回公演も楽しみにしております。

    2016/03/06 18:24

    タッキーさま、コメントありがとうございます!
    「宇宙を飛んでも人間は所詮人間」の言葉のとおり
    人間ドラマを感じ取って、楽しんでいただけましたらとても嬉しいです。

    あ、人格はコピーされているので、もしかして地球に還ってしまったら、
    解体され分析されるだけ、かもしれません。(個人的な想像ですが・・・)

    今後ともトツゲキ倶楽部をよろしくお願いいたします♪
    ご来場ありがとうございました!!

    2016/03/02 11:42

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