親の顔が見たい 公演情報 かわさきシアターカンパニー「親の顔が見たい」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    役者力、堅実。
    マンション内の、にしてはそこそこの(70人程入りそう)スペースで、ぶち抜いたコンクリの梁が低い天井に残るのも黒く、劇場としての味わいを有しているのにまず驚いた。
    「親の顔」は数多くやられている演目だが、やはり味のある戯曲だ。中学生にしてはかなり過激ないじめ内容や、援助交際など、ドラマ的な演出を「盛った」ようにも捉えられるが、うまく解消していく戯曲だ。
    新たな証言や物証が、事実を徐々に露呈させるが、その段階段階で、その状況に見合っただけの抵抗を親たちは繰り広げる。そして退路を断たれて事実に向き合わざるを得なくなる・・という意味では、「悲劇」に始まりそれは覆らないが、ある意味ハッピーエンドである。
     この劇団は、口跡もすっきりした堅実な役者が押さえる所を押さえた演劇を繰り出し、劇の終盤にはある「高み」へと観客を押し上げていた。 開幕当初に見られた、各自の仕事をしている感の演技(横同士の反応がやや堅い)は、しかし個々の「仕事」を延長した先に、しっかりぶつかり合う形が出来ていた、そんな感じ。演技を機能的に捉えているのか、やれる事をこなせばここまで持って行けるという事か・・不思議な感覚だ。
     一点、最後に残る夫婦の対話、そして退出の場面。 芝居中では夫に抵抗した妻だが、最後には夫の後について行く、古典的な妻を演じる日常に帰って行く、という処理にしていた。 簡単には変わらない・・それが脚本に書かれてもいる一つの結語だが、それでも何か変わって行くのではないか・・そう感じたい観客に、この演出は「簡単に変わらない」ことを形として強調してみせたのだろうか。

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    2016/02/21 03:30

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  • tottoryさま、
    劇団企てプロジェクト 第二回本公演「親の顔が見たい」へのご来場、またご感想をありがとうございました!
    私どもの公演でH&Bシアターへお運び頂けたこと、とても嬉しいです。
    色々なところで上演されているこの作品、観て頂いたみなさまそれぞれに感じ考えて頂けたら幸いです。
    劇団員一同、今後も素晴らしい作品をみなさまにお届けできるよう精進してまいります。
    どうぞよろしくお願いいたします。

    2016/02/28 11:45

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