満足度★★★
また劇場でお会いできる日を楽しみに
22年続いたシリーズの完結編との事ですが、初めて観ました。全体的に少々抑揚に乏しいかなとは思いましたが、たまには大きな事件が起きる事もない、終始ほのぼのとした舞台もまた良いものです。
新垣里沙さんの出演舞台は全て観ると決めている自分としては、彼女が楽しんで演じつつ、何かを掴んでいる様子が見られた事でまずは良しとしたい。その演技力と歌唱力と実績を買われての抜擢だとしたら、彼女は周囲の期待には充分に応えられていたかと思います。
今回の新垣さんは役が本人と近い事もあり、時折垣間見せる、いかにも「ガキさん」な振る舞いも微笑ましく、戸田恵子さんとの貴重なデュエットもそれは素晴らしいものでした。
ただ、脚本で一つ気になったのですが、福島と原発や放射線といったワードを殊更に結びつけるような台詞は、この穏やかな人情喜劇に似つかわしいとは思えず、そこだけ雰囲気を壊していたように感じました。