満足度★★★★★
折り重なる感情
ちあきなおみ『星影の小径』が大好きな人間には堪らない。それだけでも心に響く作品だと確信する。そして裏切らない。震災の傷と真っ向勝負し、あの時もてはやされた「絆」の真の姿を突きつける。みんな泣くといい。心を洗うといい。⚫︎菊地美里さんという怪物を見つけた。どんな風に形容しても軽くなってしまいそうで言葉が見つからないが、間違いなく身の前で生きていた。舞台と客席という境界を飛び越えてそこに存在し、巻き込んでくれた。そう、その会話の中に自分がいる感覚に引き込んでくれる怪力。⚫︎村田綾さんという美女も発見。男っぷりのイイ女性を好演。台詞以上に目がモノを言う。そう、大きな瞳と、縁取る透き通るような白目が饒舌。そして説得力がある。そこに哀愁まで纏ってしまうのだから無敵。次が観たい女優さんを見つけてホクホク。⚫︎目当てだった大好きなもたい陽子さん。相変わらず麗しく、美しい声。遠く海を眺める姿に胸締め付けられる。大好きだからこそ…まだ良くなる。義兄とのバトルはもっと抉り抉られるはず。さらなる進化で、高みに登ること請け合い。