合唱曲第58番 公演情報 田上パル「合唱曲第58番」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    人間なんてララ〜ラ〜ララララ〜ラ〜。
    人間て、やっぱり愚かで愛しい。悪気はないのに、寧ろ愛をもって人を傷つける。そして自分も傷を負う。作演出の田上さんには、ぜひリアル岡田先生にご連絡して戴きたい…と、トークの質疑で言えなかったリアル中学教師は願う。●統廃合、いじめ、不登校、体罰…学校が抱える難題がゴロゴロ。前半のわちゃわちゃしたバカバカしさが、後半に効いてくる。彼等はきっと学校が大嫌いだったけど、これからずっと繋がっていけるのだろうなぁ。教師が(特に中学)報われるのは、卒業式と成人式くらいだよ。●岡田先生は、失敗を児童にきちんと謝罪できていいね。能島瑞穂さんが好演。岡田先生は苦しい3年を過ごしたね。解放されてよかった。●長野海さんが素敵。じゃりン子チエばりの小学生から、ませた女子中学生、究極はナース服のお母さん。その振り幅の広さに爆笑と感服。スクール水着もナマ着替えも天晴れだけど、白衣の美しさが眩しすぎる。洗練されたよそ者への、お母さん連合の反発が生々しかった。●中学デビューした平田さん。学級委員の優等生のやさぐれ方が痛々しい。何が彼女をそうさせたのかを考えると苦しくなる。真っ直ぐな気持ちの持ち主だからこそ、消化できなかったのだろう。純粋な彼女を、江花明里さんが好演。●この中学校がまっとうなのは、やさぐれた平田さんをチヤホヤすることなく、「不良!」と切り捨てる純粋さ。本当にダメな学校は易きに流れる。大道のような、ヤンチャだけど真っ直ぐなヤツがクラスや学校を救う。いま、子どもたちの中に大道がいない。日高啓介さんが好演。●長野海さんの「苛立ち」「ジレンマ」から発する地団太が最高級品。あの地団太を観るだけでも足を運ぶ価値がある。人生はままならないことだらけだ。この作品に流れる本質を、あの地団太がすべて内包している。暴れまくってる。そうだ、人生はジッとなんてしてられない。●ジゴクという名の中学校。宣言通りに戻った岡田先生。月出では軍曹だったけど、出水での表情は菩薩だった。大道との対決は涙無しでは見られない。「率直さに救われた」と言える大人の度量と率直さ。見習ってほしいドアホが職場に多すぎる。そこに絶望、ここに希望があった。●とにかく彼らが心配だ。卒業(千秋楽)したらどうなっちゃうんだろう。あんなにもしっかりと生きたら、あんなにも級友と繋がったら、あんなにも時間に足跡を残したなら、そこを離れる時に失うものの大きさに耐えうるのか心配。観ている人間がそう思うほどの作品。

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    2016/02/03 10:32

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