満足度★★★
安定の瀬戸山クオリティ
瀬戸山さんの作品はいつも観客に預けるところが大きい。
その大きい物を渡されたわたしは大概は途方に暮れるのです。
そして、今回も安定の瀬戸山クオリティでした。
元になった出来事は、そんな事あったっけくらいの記憶しかありません。
ただ、作品中に描かれた出来事は予想はしていてもやはり衝撃的でした。
ネットが普及する前は広く情報を集めるのは中々手間で、
大きな媒体を盲目的に信じていたように思います。
目の前に差し出されたものだけを信じていれば楽だけど、
それが信用できるかどうかは別問題だということ。
それを自分の中だけで納めるのではなく、批判や中傷を安易にできる環境も怖いなと思いました。
真実ではなく何を信じたいのかが重要なファクターになりつつあるんだなと。
個人的な事情で若干集中を欠いた観劇になってしまいましたが、
俳優陣は素晴らしい熱演でした。
ただし、劇場の座席の段差が少なく、
前の人の頭で座った場面が非常に観辛かったです。
パキスタン兵士とのエピソードが秀逸でしたが、
全体のどのくらいがフィクションなのか気になります。