満足度★★★★★
面白かったという語彙はあってるか?
面白かったという語彙はあってるか?
あの空間に、闇の中に、戦場に、自分の身を置けたような気がする。
哲学とは?
いや、わからない。
でも、言葉とは?
小さな子供が遊んでいて、こんな事発見して面白いぜ!!と、
キラキラする感じを観てて思った。
「コトバ」を介して「現実」を切り取る事を発見した昂揚感。
なんか、演劇にも似ているなと観ながら思う。
頭の中の考えは見えない。
それが、
口を介して言葉の音と意味を持って世の中に生まれ出る。
手を介して文字となり、意味を持って世の中に生まれ出る。
面白いおもちゃが生まれ落ちた!!!
観ていて「哲学」って????と思ってい
たが
もっと、違う感じだった。
だから、「面白かった」と思う。
小沢道成さんは、まだ4年程しか、お芝居を観ていないが、
今作は小沢さんが持っている「プラス」の要素が余すことなく抽出されていると感じた。例えるなら「ヒカリ」。
今作の「ヒカリ」の役割。
劇中の彼の言葉が観劇者の「?」を代弁しているように感じた。
笑い、怯え、苦しみ、様々な表情に目を奪われる。
彼の「生」への「希望」が生まれた時、成就してほしいと心で祈った。
榊原 毅 さん初見の俳優さん。
隊長で、絶対強面での少し、可愛い役柄。
(あえて、可愛いといった表現を使います)
人の気持ちを射抜く眼光と、でも、きっと、心根は優しいのかな?と想像。
古河耕史さん。以前虚構の劇団での出演を拝見した事はあった。
今作は、かなりの熱量を感じた。
ただ、吐き出すのではない、静かだが、でも、物凄く熱いものが彼の内側から溢れてくるような芝居だった。
大原研二 さん。最初、観ていて、苦しかった。
強い言葉を、言っているのだけど 弱い、怯えてるような 、
眼では見えない震えてる心が見えた気がして、悲しかった。
物凄く、追い込まれる気持ちになった。
安らかに、天に昇る事が出来たのだろうか・・・。
きっと、そうだったと思いたい。
本折智史さん。初見の方だったが、表裏を(今回は特にそういった役柄だったからかもしれませんが) 演じるのが上手い方だと感じた。口調は変化をつけ易い。この方の眼の切り替え方が凄かった。上手い。
闇のシーンは心拍数上がる。
過呼吸ではないですが、ちょっと、近い感じ。
私は特にそういったシーンで気分が悪くなったりする
症状をもってるわけではないのですが・・。
防空壕とかこういった戦地での恐怖感ってもっとひどいんだろうなと
あのシーンを体験して思った。
でも、あのシーンだから私みたいな人間でも
怖さを感じ取る事ができたのかもと。
舞台上の美術も、照明も、とても、良かった。
前回「柿喰う客」の時、印象的な照明が、今回も同じ方だった。
数回この方の公演を観させて貰ってるが、本当に美しい、そして、情景が浮かび上がってくる。
尽きないが、今作は、色んな歯車が上手くまわり、起こした、人間の、演劇の、素晴らしいモノ。その歯車が一個、違うとまた、違った作品の印象をうけるかと。この組み合わせだからこそ・・・。