消失 公演情報 ナイロン100℃「消失」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    やはり破格の劇団だ!!!
    噂には聞いていた、「消失」、高浜原発再稼働が色濃くなった日に、ようやく観ました。

    今年の数々の政府与党の暴挙に、新聞のコラムで、異を唱えていたケラさん。

    いろいろな思いから、11年ぶりの再演に踏み切られたのでしょう。

    あまりにも、示唆的で、何度か落涙しそうになりました。

    後ろの席の女性が、閉幕後、ずっと号泣していて、連れの男性が困惑していましたが、私には、彼女の気持ちが推量できました。きっと、心に深く突き刺さったのでしょう。

    久しぶりに観たナイロンの役者さん達は、皆さん、役者としての貫禄がついて、やはりこの劇団は不動だと、感嘆してしまいました。

    相変わらず、外のセットの使い方も、絶妙。

    イブの日だと言うのに、客席は、補助席まで、満席でした。

    同じような、舞台設定だけれど、「ひょうたん島」とはえらい違い。

    ネタバレBOX

    大倉さん、いつから、こんなに悲哀に満ちた男を好演される役者さんになられたのかと、まずビックリ。

    哀愁と愛嬌を併せ持ったみのすけさん。三宅さんは、朝ドラでお忙しいだろうに、よくぞ、こんなハードな舞台を熟せるものだと、ただただ脱帽。

    松永さんと、犬山さんは、女性の魅力の多面性を遺憾なく発揮。

    八嶋さんも、劇団員と同じ空気を出して、違和感なし。

    テロや、戦争、愚かな国策による、事実上の棄民政策…。それらが、ケラさん独自の手法で、おもしろおかしく、デフォルメされて描かれるのに、どれも、現実性を帯びてドキッとすることだらけです。

    アトムが死んだ息子の身代わりとして誕生した頃は絵空事だった、ロボットの子供も、今の世の中では、既に具現化され始めてているし…。

    ケラさんの手法に馴染んで来たせいか、ストーリー展開は、早い段階で予想がつきましたが、それでも、随所で、衝撃的な感想を持ちました。

    夫を見棄てた当事者であるジャックに、頭を下げて、謝られたネハムキンが、「謝られたら許すしかないか」とため息まじりに呟くのは、過去を反省せずに、棄民政策に突き進む、現政府へのケラさんの皮肉めいた問題提議に聞こえました。

    天皇陛下も、この芝居を観たら、号泣されるかもしれません。

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    2015/12/25 03:05

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