満足度★★★★
牛乳地獄『本の虫』
牛乳地獄「本の虫」、かなり気持ち悪い現実と虚構の多重メタ構造。賛否両論ありそうな手法。「ことば」というフィクションへの独特のアプローチには、オイスターズ「日本語私辞典」をちょっと彷彿。そして佐野ちゃんは、太陽のような目力とは裏腹に、月のように暗い役がやけに似合う。
牛乳地獄「本の虫」、メタ構造といえば、映画「ブレードランナー」原作者、フィリップ・K・ディックの「高い城の男」を思い出した。第二次大戦で日独が勝ったアメリカで、米が勝った架空戦記が流行るという小説。メタを知りたければディックをオススメします。ほどよく訳が分からなくなる。