満足度★★★★
夜の部
『弁天娘女男白浪』
べんてんむすめ めおのしらなみ
これは映像で観たことあるけど生は初めて。
松也さんの女形も初めて。
綺麗でしたけどもやまがた屋さんで買ってきた生地を出し入れするときについてしまうのか
お着物の襟元に白粉ついてるのが気になった。
稲瀬川勢揃いの場でも花道近くだったので
松也さんの着物が汚れていたのが見えてちょっと残念。
しょうがないのかな・・・
まだ数えるほどしか歌舞伎は観劇出来てないけれど
今までそういうの気にならなかったのだけど…
気にしすぎ?
菊之助松也さんの女形の声がちょっと私の耳に合わず…
キンキンして聞き取れなかった。
もしかしたら喉痛めてらしたのかもしれません。
名台詞「知らざぁ言って聞かせやしょう!」も声が引っ掛かってたような。
男ってのがバレてからも男男してて
好みとしてはもうちょっと綺麗目を残してほしかった。
でもここは女と思ってたのに男だったってことだし
そこから浜松屋の番頭さんが唖然とする場にしないといけないから
それで良いのだと思うけれど
七之助さんとか、菊之助さんの風体が好きなので。
好みの問題。
やはり松也さんは格好いい男の方が好き。
お坊吉三は良かった。
巳之助さんがかっこ良かった。
南郷力丸。
男だってバレてからの菊之助と南郷力丸のやり取りは面白かった。
巳之助さんの声が一番南座で響いてた。役柄的にそういうものなのかもしれないけれど。
呉服屋浜松屋さんで揉めていた時に間に入ってきたのが鳶頭の種之助さん。
この頃、用心棒に鳶の頭を雇うことが多かったとか。
色々揉め事が多かったんですね。
米吉さんの若だんはん似合ってました。
赤星十三郎役を尾上右近さん。
赤星は小姓上がりだから女形化粧の柔らかい感じなんだとイヤホンガイドで教えてもらいました。
あさぎ色の幕の効果は
演劇でいう暗転からの明転でパッと背景を映えさす物だと。
桜が稲瀬川に5本
「志ら浪」と書かれた傘を持ち名乗り。
着物の柄もそれぞれ違い
菊之助は菊
力丸は稲妻手拭いも首に巻いて。
歌舞伎は舞台美術が綺麗で絵面が素晴らしい。
春らしいきらびやかな演目でした!
『闇梅百物語』
これは面白かった。
怪談話を百種話ながら灯火を一つずつ消していく遊びで
百番目の火を消した時に怪異が起こるとされているので
九十九で止めるのですが
何が起こるか見てみようとなり
小姓白梅が姉さん女中に言われ無理矢理消しに行く役目に。
白梅役の尾上右近さんがもう綺麗で綺麗で。
以前に一度菊之助さんの時だったかで拝見したときから
美しいと思ってまして。
消したら異変が!
姉さんたちがやってくると白梅はのっぺらぼうに!
狸や河童の妖怪が!
傘一本足の巳之助さん
こちらでも頑張ってらっしゃった!
片足で高下駄の歯が一枚。
これでバランス取りながらピョンピョンしてまして。凄い。
その後宙吊り!表情も豊かで♪
巳之助さんにピッタリ。
雪女郎の右近さん。
こちらも素敵。
新造の米吉さんの愛らしさ。
このお二人の女形とっても良かった。
米吉さんは丸顔の可愛いタイプ。
右近さんは面長の綺麗タイプ。
所作も美しく。
米吉さん、すっぽんに消えていく時の美しく回る姿…眼福でした。
骸骨からの読売役の種之助さん。
種之助さの舞踊とっても良かった!
ずっと見ていられるくらい。
読売が狐の妖怪だと見破った大内義弘の松也さん。
狐の舞いも軽やかに汗をかいて踊られてました。
楽しい演目でした。こちらも最後は皆勢揃いの幕引き。
綺麗で額縁に入れておきたいって思う歌舞伎舞台の美しさ。
今回は巳之助さん、種之助さん、米吉さん、右近さんが良かったです。