ヴァギナ・デンタータ 公演情報 芸術集団れんこんきすた「ヴァギナ・デンタータ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    女性視点の…
    舞台セット、その雰囲気が妖艶、耽美そして幻想という印象である。そして枠囲いのある前面ガラス部屋...額縁内のショーを見るようである。タイトルから意味深であり、しっかりその意味するところが明かされる。しかし直截的で共感し難い。女性の“性”を中心とした体・心の苦悩が描かれるが、その痛切さが今一つ伝わらない(自分が男だからか)。
    このシチュエーションになった経緯、理由のようなものが漠然としている。逆にそれが説明できれば謎解きの納得性が得られるが、神秘性が損なわれる。本公演では、状況説明は敢えて割愛したのだろう。

    さて、女性6名が繰り広げる世紀(セイキ)の晒し話とは...。

    ネタバレBOX

    舞台は、段差を設けて中央奥にファッションソファー、クッション、上手・下手に椅子2脚ずつ配置。その真ん中にテーブル、その上に観賞花が置いてあり、(日時)経過で取り替えられる。床には赤いファッション絨毯が敷かれている。

    出入り口のない一室に閉じ込められた女性、その状況・経過が分からず不安と恐怖を募らす。そのうち、他人ということを前提に一般的な心情(職業等)を話すうちに、性癖に関することまで激白する。30歳過ぎで処女、“性”質の悪さ、同性への愛などが切々。キャラクタ(化粧も含め)の濃淡があり過ぎて、特定の人物(女優役)にフォーカスしがちに感じた。

    最後になって静観していた女子大生がタイトルを...「ヴァギナ・デンタータ」とは陰部に歯が生えている、ということ。魅力的な仕草で男を誘惑し交りの後、陽根を噛み切り殺す。強姦等に対する戒め、教訓のような俗説。そしてギザギザ葉が象徴...。それゆえテーブルの上の花...ハーブという台詞が活きてくる。

    刺激ある雰囲気、女優陣の魅惑な演技は良かったが、それを収める物語という器がはっきりしない。伸縮自在な迷路にいるようで...手応えがもう少しあればと残念に思った。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/12/05 21:48

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