十七人の侍 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「十七人の侍」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    殺陣の醍醐味を満喫
    初めてのボクラ団義、殺陣の華麗な振付けと鍛えられた役者さんの動き、
    そしてサービス精神に、エンタメ集団としての素晴らしさを実感。
    複雑なストーリーながらドラマチックなシーンの積み重ねが美しく映画のよう。
    登場するキャラも魅力的で、工夫された衣装がよく合っている。
    惜しいことに殺陣の音に台詞がかき消されることが多く、
    またその台詞が謎解きの大事なポイントだったりするのでちょっと置いてきぼり感あり。
    これで3時間近いのは少々辛い。
    似たようなシーン・似たような台詞が繰り返され、役者さんも大変だっただろうと思う。
    でも殺陣は素晴らしくカッコよくて、台詞と同じくらい感情がこもった動きに魅了される。

    ネタバレBOX

    奥に向かって登るように傾斜する舞台。
    中央には洞窟のような穴が黒く口を開けていて、
    1階2階の上手下手と合わせると出ハケ口は5か所もある。
    繰り返される闘いのシーンも、この出入りが滑らかなので乱れた感じがしない。

    舞台は砂漠、ここではもう何年も西と東が敵対して刀による闘いが繰り返されている。
    そしてもうひとつ、侵攻軍という勢力が、西と東の両方を襲ってくる。
    襲われるから闘う、闘わなければ死ぬだけだ。
    しかし誰も闘いの理由を知らない。
    そんなある日、ひとりの少女がこの地へやってくる。
    手には「十七人の侍」と書かれた手紙と1本のナイフ。
    彼女もまた、どうして自分がここにいるのか判らない。
    判らないまま十七人の侍を求めて西と東を行き来するうち、両方の
    “オアシスの番人”と過去の記憶“を探るようになる。
    3人にはある共通の記憶があり、それはこの闘いの理由につながっていた…。

    流れるような美しい動きと刀の閃きに合わせた正確な効果音で
    躍動感あふれる殺陣が素晴らしい。
    ジュウゾウ・キュウゾウ役の竹内尚文さんのクールな殺陣が印象に残る。
    侍として恥ずべきことをした自分を許せない潔癖さを持つ男が魅力的。
    感情を抑えた表情と切れの良い動きが、かえって秘めた思いを雄弁に語る。
    西と東の長老はじめ、キャラの構築がくっきりしていて解り易いのも良かった。
    役割分担に応じたキャラの“典型”が、安定感と人物相関図理解の手助けになる。
    黒沢明の「七人の侍」と“四十七士の討ち入り”の名前をアレンジしたアイデアも面白い。

    ちょっと残念だったのは、やはりゲーム世代向けだったこと。
    この場合は現実のプレーヤーの意思がキャラに反映されてさらに複雑になった。
    謎解きの手引きとなるストーリーテラーの声がアクションシーンと重なり
    聞き取りにくいこともあった。
    “新しすぎて発売中止になった”理由が“脳に直接作用するゲームで危険すぎる”から、
    というような理由だったと思うが、映画「マトリックス」みたいな感じだろうか?
    そのあたりの説明がもう少しあっても良かったような気がする。
    もっとも、よくわからなかったのは私だけかもしれない。
    なにぶんゲームの世界に慣れていないので…(^^;)

    サービス精神あふれるアフターイベント(指名した役者さんを斬る)も楽しかった。
    終了後のアフターパンフは大変親切で有難いサービス。
    もっと若い女性ファンが多いだろうと予想していたのだが意外に中年男性ファンが多く
    私の前後左右のおじさん達が「撮影タイム」に一生懸命写真を撮っていたのにも驚いた。

    以前別の劇団に客演していた沖野晃司さんを見てボクラ団義を知ったが
    アクションにも台詞にも力のある役者さんが多く、また別の顔も観てみたいと思った。






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    2015/11/24 02:56

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