国際共同制作ワークショップ上演会 公演情報 APAF-アジア舞台芸術人材育成部門「国際共同制作ワークショップ上演会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    濃密な…
    三作品の共通した訴えは、平和の希求のようであった。

    台湾、インドネシア、フィリピンの三チームが「雨」という共通テーマで創作した小作品(15分)の上演と各演出家のアフタートーク。

    テーマ「雨」の選定は、アジアの国の人々にとって「雨」とは、また「雨」が惹起する情感もさまざまだろう。同時に、人が水を飲まずに生きていけない以上、どんな人間にも「雨」が根源的に大切なものであるという感覚は共有されている。
    「雨」をめぐって、お互いの差異と共通性を見つけてゆければ...と主催者は語る。

    ネタバレBOX

    台湾「焦土」
    焼け焦げた大地に囲まれた村で、日常生活を送っている。雨を待ち望んでいたが、雨は焦土をつくり、恵みの大地もつくる。そこには「世を蓋うのも功労も、一個の矜の字に当たり得ず。天に弥るの罪過も一個の悔の字に当たり得ず。」というらしい。

    インドネシア「ペットボトルの中の雨」
    雨は空と大地をつなげる神聖なもの。ジャバとバリの神話によると空は男性、大地は女性。それをつなげる雨は命を創造する。近代社会とパフォーマーの雨に対する個人的文化的経験をつなげ、断ち切りたい。声と体の動きの力を共に探っていき、言葉に頼ることなく何かを伝えたい。

    フィリピン「TERU TERU!」
    フィリピンの神話の中の雨は、自然への畏敬の念だけではなく、生きるとは何かということを伝えている。神話は語り継がれ、自分たちが誰なのか分からせる。しかし、気候変動により雨に対する受け止め方が激しく変化してきたのはなんという皮肉か。神話そのものが変化しつつある。大雨による洪水に関するアジアの神話を見せたいと。私たちはどこにいるのか、生きるとは何かを考えたいという。

    いずれも素晴らしい”種芋”で、これがどう育つのか期待したい。

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    2015/11/15 00:16

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