恋愛戯曲 公演情報 じげ×はち 秋のプロデュース公演 2015「恋愛戯曲」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    劇の中で、劇中劇と、劇中劇の劇中劇が同時進行♪
    スランプの女流脚本家・真由美が、(ヒット作を出せず)後のないプロデューサ・向井に、「私と恋におちてください。」と嘆願。「そうしたら、きっと脚本が書けると思うんです。」と迫る。

    現実(劇)と、脚本(劇中劇)と、脚本の中で書かれた脚本(劇中劇の劇中劇)の3つの世界が同時進行。

    どの世界も(多少設定は異なるが)、スランプの女流脚本家が、若いプロデューサの力を借り、疑似恋愛をしながら、脚本を書き上げるというストーリー。
    そこに、強盗や脚本家の夫や召使いやTV局の上司などのチャチャが入る!
    果たして脚本は締め切りに間に合うのか…、そして二人の疑似恋愛は…。

    追伸、全ての役者さんが一人三役をこなしつつ、特に真由美は、狡猾に人を騙す女狐から、純情な真由美までの落差が大きく、難しそう…!

    とっても楽しい公演でした。

    ネタバレBOX

    脚本家・真由美は、何とかプロデューサ・向井を振り向かせようと、あの手この手…。
    そこに、郵便局強盗が押し入り、ほとぼりが冷めるまで居座ることに…。

    煮えきらない向井は、真由美の誘いに応じない。
    向井がしないなら俺が…と、欲情した強盗が真由美を…。
    真由美を守れなかった向井は真由美を案じ、自らを責める。

    この体験を糧に真由美は脚本を書き上げる。
    そして実は強盗が役者で、向井を煽るよう真由美から指示されていた事が証される。
    全ては疑似体験により、後世に残る脚本を執筆するために仕組まれた茶番だった。
    そうとは知らず、真由美を愛し始めていた向井は、全てが仕組まれていた事に失意するが…。

    一方、役者はこの脚本のドラマへの出演のために協力していたが、TV局の意向で出演できないと知らされ、真由美に逆ギレ、銃口を向け、発砲する。
    真由美を守ろうと、その間に割って入った向井の胸を銃弾が貫通する…、筈だったが…。
    それすら真由美の策略、向井のみならず役者も騙されていた。
    銃には実弾は入っていなかった!

    良い脚本のために何処まで人を弄ぶのか…と向井…、でも「あなたが強盗に連れて行かれてから、僕は12秒に1回、1時間で300回、1日(7時間寝たとして)5100回、あなたのことを考えていた。」
    (真由美の思惑通り)「良い脚本が書けて良かったですね。」

    後日会う真由美と向井…、「名作の脚本を担当したんだから、またドラマ担当できるんじゃない」と慰める真由美だが…、「TVドラマの担当は外れ、演劇などの担当に、これはもともと決まっていた事なんです。」と告げる向井。

    真由美は、ドラマについて熱く語る向井がずっと気になっていた事、局で向井とすれ違うだけで1日幸せな気持ちになった事、自分が本当に恋したら脚本が書けなくなるタイプだと分かっていた事、そしてこの自分の想いにけりをつけるため(向井のためにも)今回の件を仕組んだ事、を告白する。

    そして向井が演劇担当になった事を受け、真由美は、「それなら、これを劇にしなさい。劇だから恋愛脚本ではなく、恋愛戯曲。どう?」
    向井は「それなら、一つ条件があります。僕と恋におちてください。」

    追伸、劇中、向井が恋人が居るようなニュアンス(躊躇)を出していて、それが最後まで気になり…、向井と真由美の最後の告白を気持ちよく受け入れられなかった。
    劇を通して振り返ると、向井の躊躇は、恋人が居るのではなく、真由美の元担当の陰(元担当の真由美への想い)が見え隠れするのだが、そうだったのだろうか、気になる。
    向井の躊躇が元担当のせいなら、最後、その当たりをスッキリしてみせて欲しかった。

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    2015/11/08 07:26

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