最後に歩く道 公演情報 TOKYOハンバーグ「最後に歩く道」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    生命とは【公開ゲネプロ】
    芝居の魅力とは何であろうか。波瀾万丈の物語か、虚実皮膜の世界であろうか。もちろんその要素は大切であるが、やはりその作品で何を訴えようとしているのか、その力強さではないか、そのことをこの公演から強く感じた。この公演は、直接的には動物(犬、猫)の「生」と「死」であり、人間のことではない。しかし、描かれる動物愛護センターでのことは、犬、猫という動物を対象にすることによって、その行為を行う「人間」そのものが描き出されているようだ。
    この公演は、しっかり取材(ネット情報はもちろん、実際熊本市動物愛護センターの実地見学)を行っており、その内容が台詞の一言一言に重みとなって伝わる。その言葉が共鳴し合い、公演全体を重厚感あるものにしている。そして単に芝居を観せるという域から記憶に残すというメッセージを感じる。

    ネタバレBOX

    生命という大きな命題を描くため、その「生」をイメージさせる人間のことば、動物の鳴き声が明確に伝わる演出である。一方、車の走騒音など無機質な音響を挿入することで、生を感じさせない。逆にその効果音が人間も動物も持っている思いのようなものを際立たせる。
    人間であれば、喜怒哀楽を「嬉しい」「憤り」等を言葉に当てはめて表現する。言葉は発した先からその感情はこぼれ落ちるかのようだ。言葉は手段であり、その奥には思いがある。相手(人間であれ動物)への膨大で深い思いが愛情や感謝であろう。その生きものがそこにいる、その存在が喜びであり驚きである。その肯定なくしてこの世でのあらゆる生きしものとの共存は難しいであろう。そんなことを改めて考えさせる素晴らしい公演であった。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/11/01 21:45

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