伝六捕物帖 KOI/KATAKI 公演情報 劇団岸野組「伝六捕物帖 KOI/KATAKI」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    緩いが、観せる芝居
    典型的な大衆娯楽(時代)劇...話の展開は分かり易く、その結果も安心して観ていられる。全体的にゆったりとしたテンポ(特に演技)であるが、場面転換が早く心地よい時風で流れる。場面転換はほとんどが暗転...それも完全暗転、薄明かり、スポット照明など、工夫は凝らしている。この上演後、ちょっとしたサプライズが...。座長の60歳の誕生日ということもあり、舞台上で出演者がケーキと赤いタオルをプレゼント。35歳で画気団を旗揚げし、今年で25年になるという。自分も45歳に?と冗談を(爆笑)。コメディ芝居らしい、ウィットに富んだ落ちのある挨拶であった。

    ネタバレBOX

    梗概は、父の仇を探し求めて苦難の旅を続ける真之輔一家の手助けと、町娘・お妙を付けねらうストーカー退治。ところが、この二つの事件が意外な関わりをみせる。
    人情劇であるが、大きく笑う、泣くという場面はなく、坦々と展開する。もちろん捕物帖であるから事件を解決することになるが、そこは幽霊になった恋女房の手助けがある。この見所は、武家嫡子と町娘の恋路、嫡子の父の仇がその娘の実父、その仇討にどう決着をつけるか、どうして仇討になったかという顛末・真相、仮に仇討成就した時、その先は...ラストシーンは大岡裁きならぬ、立会人の名裁き。実はその裏にはもう一つの事実がある。

    仇討という武家社会の不条理、貧しい中での庶民の思い遣り。諸法と人情に揺れる描写が実に優しく悲しい。
    ラストは予定調和のハッピーエンドであるが、観応えのある好公演であった。

    次回公演を楽しみにしております。

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    2015/10/25 22:12

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