満足度★★★★★
「愛しのダンスマスター」
新宿は新宿LIVE村での舞台、松本稽古さん、大高雄一郎さん、石川正人さんの出演されているタンバリンステージ×LIVEDogプロデュース:「愛しのダンスマスター」。
この舞台は、心と体で感じる舞台。
年々有名大学への進学率が下がる一方の進学校、秀学館高校。勉学以外に関することを徹底的に排除し、昔通りの進学校にしようと躍起になる理事長。
クラス全員が大学に合格しなければ、芸能クラスを無くすと言われた学長が、芸能クラス存続のために臨時講師として迎えたのは、元予備校の超人気講師胡桃沢。その胡桃沢が取った秘策とは....。
懐かしい。かつての青春ドラマにあった、乗っ取りを企む悪役の理事長とそれに対決する熱血教師の青春ドラマの構図だけれど、この舞台では、冷静にして生徒への熱い思いを持っているのは学長で、担任は、頼りない若い女性教師。
理屈とかメッセージだとかそんな事は、考えずに、目の前で繰り広げられる、キラキラとして、はちゃめちゃで明るく、楽しく、痛快な青春を心と体で感じるのがいい。
この舞台、大高さんや長いブログのお付き合いのブロ友さらみさんの話に、よく出てくる舞台だったので、実はずっと観たいと思っていた舞台。
ダンスで綴る青春ドラマ。兎に角、出演されている役者さんたちのダンスがキレが良くて、格好いい❗
松本稽古さんの踊りは、舞台で何回も観ているのですが、この日も舞台の上でキラキラとしてキレがあって、本当に素敵で、こういう女子高生いるなぁという女子高生そのものでした。
大高雄一郎さんの蒲郡先生は、とにかく、可笑しい。舞台の始めでは、嫌な教師に見えて、最後はああ、そう言うことかと解ってスカッとする。
阿久津先生の澤田拓郎さんを観て、去年「天元突破グレラガン」に出てらたしかたじゃないかと思っていたら、やはり、ジュリーという役をされていた方で、そのキャラクターが、印象に残っている役者さんだったのですが、今回の阿久津先生も出てくる度に会場の笑いを誘う印象に残る先生。
石川正人さんは、去年の「天満月のネコ」「擬人カレシ」とこの「愛しのダンスマスター」全て、印象が違う。最初の冷たい笹井生徒会長からラストは違う印象へと緩やかに変化して行く姿を繊細に見せていて素敵でした。
「天満月のネコ」「擬人カレシ」に続いて、この日も舞台の締めの挨拶は石川さん。ご本人は、「上手く話せなくて」とおっしゃっていましたが、いつも誠実で温かく心の籠った素敵な挨拶をする方だなと思っているのですが、この日も、短い中にその事を感じる素敵な挨拶に、じわんと心が温かくなる。
笑いっぱなしで、キラキラした痛快なスクールコメディの理屈抜きに面白くて、楽しい舞台でした。
文:麻美 雪