ワタシ、シノブカイ。 公演情報 ベニバラ兎団「ワタシ、シノブカイ。」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    演者の皆さんの熱演に
    自殺で死んだのは、天界の事務手続きのミスだったという発端から想像できるのは、ドタバタとした喜劇だろうと考えていたが、ラストは観客一人一人に解釈を任せるような仕上がりだった。
    母校の中学校でのしのぶ会で巻き起こる、天界の使者と陽菜の親友たちとの喜劇ぶりには笑わせてもらった。
    クライマックスでの主人公陽菜の涙を流しながらの熱演には、心動かされたし、出演者の皆さんの個性溢れる演技にも説得力を感じられた。

    ネタバレBOX

    出演者の演技には若干の力量差は在るものの、熱演と云えるものかと思うが、残念ながら脚本については些かの疑問が残る。
    全体として何年か前の「お逝きなさい」で有名なヒットドラマを意識したものだろうか、衣装もそれなりのの様に感じた、それが悪いと言っている訳ではないのだが、一般に「天界」という場合、天上界、天国、極楽などを認識してしまう、しかし「自殺者」が天界に向かうといった宗教はどんな宗教なのだろうか?いやこれは事務手続き上のミスですからと言われるのかもしれないが、ご都合主義に陥ってないだろうか。
    また、イワトの役人、イザナミ、ツクモ、タマヨリ、ウズメ、これら役名は記紀神話から選ばれたのかと思われるが、記紀神話を読まれて決められたのだろうか?
    イザナミは伊邪那美命からだろう、しかし伊邪那美命は火の神「カグツチ」を産んだ事による火傷で死亡し黄泉の国の神となったとある、とても天界の入り口の役人には相応しい名前ではない。
    ツクモは国語辞典によれば白髪の老女の事。(ふといと言う植物の古名)百から一を引いて白ということから九十九と書いてつくもとも、確かに衣装は白でした。
    タマヨリ、これも記紀神話玉依姫かな、まあこちらは、元来「巫女」の意味だともいわれているが、神武天皇の母として記紀神話には登場しているが。
    ウズメ、これも天岩戸の神話の主要登場人物と云える天鈿女命からだと思うがウズメとはお多福顔、おかめ、醜女の意味がある、天鈿女命は美しい神ではなかったが踊りが得意だったそうだ。
    このように書いて、宗教にはまっていると思われるかもしれないが、私は宗教を信じていないし、神の実在を否定している側というか無神論者であるので、誤解なきよう、言いたいのは登場人物の名前というのは、特に神の名を使うとそれなりのイメージが付随しているので、かけ離れた性格を与えると、違和感が増幅されてしまいがちだと言いたかったのです。それにより舞台自体が別なものになってしまうかのうせいもあるのではないでしょうか。
    ですから役名も大事な脚本家の方のお仕事だと思います。

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    2015/10/10 20:46

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