The Last Snow~雪女物語 公演情報 劇団暴創族「The Last Snow~雪女物語」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    丁寧な公演
    場内に入ると幻想的で美しい照明。その奥にある舞台セットもしっかり作っており、楽しめそうな雰囲気を感じさせる。説明にある「雪女伝説」にまつわるファンタスティックコミカルホラー...確かに面白かったが、ドタバタが多く、そのシーンごとの笑いの余韻のようなものがない。もう少し観せるという感じがほしいところ。

    ネタバレBOX

    物語の梗概は、小泉八雲の「雪女」...人間を凍らせ、命をうばう雪女、に似ている。各地に伝わる雪女の話もあろうが...。
    本公演では、雪の降る夜、雪女が人間を凍らせ殺してしまう所をみた老人とその息子(青年=三保田権蔵 黒岩徹サン)は、青年の命だけ助けた。今夜の事を決して他人に漏らさないという事を条件にして。青年はその後、ユキナ(塩山みさこサン)という女性と知り合い、幸せな家庭を築きいた。しかし青年は誓いを忘れて雪女の事を妻に話してしまった。その途端に妻はあの夜の雪女になり、家族をおいて自分の世界へ...。もっとも子供が一人前にならなければ何度でも現れるらしい。
    現実(日常生活)の世界と思っていたが、次第にファンタジックな世界も入り始め、いつの間にはその境がなくなり、雪の世界に溶け込むようだ。
    この舞台は、津々良山温泉のペンションでのこと。青年はこのペンションのオーナーであり、2人の子供(男女)がいる。この二人はユキナとの間に出来た子であり、子供にはユキナが25年目に死んだことにしてある。

    この親子とペンション宿泊客のドタバタを描いたファンタスティックコミカルホラーという謳い文句であるが、ホラーとしての怖さはない。
    この舞台セットが素晴らしい。上手には小スペースに本棚、蒲団(大きいクッションか)、中央奥に暖炉、客席側にリビング・食堂のテーブルと椅子、下手は受付と二階への階段がある。そこに雪の結晶をイメージする照明が...幻想的で美しい。
    宿泊客は漫画家(原作者と絵画者)とその編集者、オカマバーの慰安旅行、大学のスキーサークル、家族旅行である。その客達が偶然にも知り合いであったり、不倫騒動、サークル内恋愛など色々な絡みが笑い笑いを誘う。
    そのコミカルなシーンの連続であるが、しっかり観せる前に次のシ-ンが被ってくるようで、流されている印象である。テンポよく感じるが、もう少しシーンを大切にしてもよいと思う。

    当日パンフによれば、2015年度(来春)で笹塚ファクトリーが閉館するらしい。他にも閉館の噂を聞いており、残念な思いをしている。

    劇団暴創族と改名し、3回目の公演だという。
    ぜひ次回公演も楽しみにしております。


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    2015/10/10 18:20

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