グッドバイ 公演情報 キューブ「グッドバイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    太宰もきっと笑っている
    ご存じ太宰治の未完の遺作をケラが引き継いで戯曲に仕上げた。物語の展開、そして光線を駆使した舞台演出とダンス。「超スピードで展開する(予定)ゴキゲン(予定)な恋愛狂騒劇」とケラによるサイトの説明にあるとおり、その(予定)通りの舞台で、3時間たっぷり楽しめる。

    ケラの信頼も厚い仲村トオルが、さすがにポイントを押さえたいい感じのスピード感で、軽快に舞台を引っ張る。さらに小池栄子が秀逸だ。「大食いで怪力の美女」(これは原作の設定)を存分に発揮。本妻、愛人たちを演じる水野美紀、門脇麦、夏帆など「美女群」もしっかりと役割を果たし、さらに脇役として二役、三役をこなしている。

    太宰がラブコメにしようと書き始めたかどうかはともかく、このような楽しく意外なストーリー展開に、太宰もきっと大笑いしていることだろう。

    ネタバレBOX

    ベテランの域に入ってきたケラリーノ・サンドロヴィッチの劇作家・演出家としての手腕が光る。お客さんを楽しませようというサービス精神盛りだくさんの展開だ。

    例えば、2幕で主人公(仲村トオル)が撲殺されてしまう。妻や愛人たちは一周忌にと集まって、故人の悪口をネタに宴会をするのだが、これはラストシーンではない。実は主人公は生きていて、強制労働させられて帰ってくるがすっかり記憶をなくしている、という次第。ところが、その宴会に顔を出す羽目になっていつの間にやら、どこの段階かは分からないが記憶を取り戻している。

    愛人と別れて闇商売とも手を切り、妻と娘とちゃんと暮らそうというのが、愛人に「グッドバイ」を告げる「行進」であったのだが、ケラの展開では、逆にグッドバイをされてしまって落ち込み、希望をなくしてしまう。それが最後にはまたまたひっくり返る。

    「新聞連載をすっぽかして」というような太宰への皮肉もせりふの中にあって、ニヤリとさせられる。

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    2015/09/27 00:20

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