RED レッド 公演情報 シス・カンパニー「RED レッド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    セリフ劇としては致命傷
    ひょっとしたら、難解な芝居ではないのかもしれません。
    台詞がきちんと聞こえてさえいれば…。
    むしろ、単純明快な、人間関係を描いた芝居なのかもしれません。
    台詞が、聞き取れてさえいれば…。
    語られる、様々な人物について、知識がなくても、たぶん、語られるセリフが耳に届けば、それほど、理解不能な芝居ではないと思えました。

    小栗さんの舞台は、たぶんほとんどを観劇しています。
    初舞台から、ずっと拝見しているので、舞台俳優としての進化を目の当たりにして、いたく感激もしました。

    でも、残念ながら、彼が、自身の過去を語るシーンで、その呟くような台詞が、全くと言っていいほど、聞き取れないのです。
    舞台役者としての経験豊富な田中さんでさえ、時々、聞き取れない語りをされていました。

    これは、役者側の責任と言うよりは、演出側の不備だと感じます。
    お二人が、せっかく、濃密な芝居を展開しているのに、会話劇としての、この実情には、致命傷的な欠陥を感じて、大変残念でした。

    ネタバレBOX

    高名な画家と、その助手を務める若い画家の、二人芝居。

    ケンが、高名な画家、マーク・ロスコのアトリエを訪れ、彼の助手として、働き、辞めさせられるまでの、二年間の二人の関係性の変遷を描いた芝居だと、理解しました。

    二人が、実際のキャンパスに、赤い絵の具を、塗りしきるシーンは、圧巻です。役者さんて、凄いなあと、心で、喝采を叫びました。

    小栗さんは、忙しい俳優生活を営みながら、舞台の度に、確実に、成長されて、舞台役者としての、佇まいにも、実在感が増し、本当に、素敵な役者さんになられたなあと、ため息が出る程。
    でも、残念なのは、ケンの隠された過去を、ロスコに誘導されて語り出す、呟き台詞が、私の席には、ほとんど届きませんでした。
    7歳の時に、両親が殺されたことだけは、わかりましたが、幼い彼が、その死をどう受け止め、どう解釈し、生きて来たかが、台詞が聞こえないせいで、全く理解不能でした。

    きっと、素晴らしい脚本なのだろうと思います。
    もし再演があるのなら、今度は、万全を配して、この芝居をダイレクトに感じられる舞台環境で、上演して頂きたいと、切に願ってやみません。

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    2015/09/25 04:02

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