赤坂大歌舞伎 公演情報 松竹「赤坂大歌舞伎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    見事な七之助七変化!
    初演の時には、老女役の演技が発展途上でしたが、今回の舞台では、七之助の七役の演じ分けは、お見事な成長ぶりを遂げていました。

    台詞回し、声音、物腰、どの役も、きちんと、その人物の人となりを、表現できる才気を、この数年で体得された努力に、敬意を表します。

    玉三郎さんの御指南の賜物と思うと同時に、七之助さんの歌舞伎役者としての覚悟を観た気がして、心底嬉しくなりました。

    国生さん、新伍さん、鶴松さんの成長にも、目を見張りました。

    中堅役者さんを次々失って、今後の歌舞伎の行く末が心配になりますが、こうして、若手が力をつけているのを観ると、将来への希望を感じます。

    デモも、歌舞伎も、若い力が育っていることに、心から、期待します。

    ネタバレBOX

    勘九郎さんの「繰り三番そう」は、所作では申し分ない出来映えながら、表情が、まだ人間のそれで、繰り人形に見えないところが、残念でした。

    あんなに、踊りで、成長ぶりを見せて下さっていた勘九郎さん、踊りの師匠が身近にいなくなってしまったせいではと、心配になりました。女形の踊りでは、その心配はないと思うのですが…。

    どうか、三津五郎さんのビデオなどを観て、更に精進して頂きたいと、切望します。

    一方の七之助さんは、初演では、早替りに重点が置かれ、それぞれの役の演じ分けまでには、まだ及第点はつけられない思いでしたが、今回は、七人の人物の出自や人物像まで、的確に演技表現されていて、お見事な進化を遂げていらっしゃいました。
    ただ、欲を言えば、お光の情念をもう少し、踊りで、表現して頂きたかったような気はします。
    後半の踊りの場面では、国生さんの、見目麗しい役者ぶりに息を呑みました。

    出演役者の名前を、台詞に織り込む遊びは、昔から、歌舞伎の常套手段とは言え、実に巧みな織り込みぶりで、感心してしまいました。

    ACTシアター前も、平成中村座さながらに、歌舞伎小屋の雰囲気が設えられ、楽しいお膳立てがなされていました。

    赤坂歌舞伎も、ずっと定着してほしいと、思います。

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    2015/09/21 11:02

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