漂着(island) 公演情報 下鴨車窓「漂着(island)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    投瓶通信
    読んだ順なのですね。

    ネタバレBOX

    映像作家の実生活と、かつて日本人が住んでいて、現在国境線が存在する島に島流しされた男女を描いたシナリオの世界を描いた話。

    俊寛かと思いました。そして、どこだろうと思いながら観ていました。

    アフタートークによると、初めて聞いた言葉でしたが、最後の緊急事態に瓶に手紙を詰めて意思を伝えようとする投瓶通信の面白さ、現実と虚構、境界線、水の侵食に象徴されるような境界線の曖昧さ、現実と虚構の一部分を同じ役者が演じたらどうなるかなどをテーマに作ったそうです。

    男女を管理している日本の公務員のような男は国境線の向こう側にも行けるようで、話としてはチグハグさを感じました。そんなこともあって作家は途中で放り出したのかもしれません。映像作品としては中途半端で失敗でも、作家の挫折の情景を加えることで、舞台作品としては成立する面白さを味わいました。

    投瓶通信という言葉は初めて聞きました。手紙は拾った人の物、書かれた順ではなく読んだ順というところが妙味です。別の女が読んだ弟が姉に当てた手紙も逆に読んでいたらその後の行動はどうなっていただろうと思いました。

    お芝居もそうで、作家のアイデアが早い遅いではなく、観客は出会った順、観た順に感想を持つもので、出会わなければ感想もないわけです。

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    2015/09/03 13:35

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