満足度★★★★
善い作品です。
身近に有り得る出来事をモノローグとエピローグに配したのが効果的でした。
設定としては、まずないだろう病室でしたが、そこは愛嬌かな(芝居の嘘という便利な言葉もあることだし)
登場人物が皆前向きに感じられるのは、「真実」を知っているからなのでしょう。
このテーマは重大です。社会の色んな事象に行きつきますから。
前作のような、無駄な(冒頭部)台詞遊びが無く、斬りこんでくる作りは好感を持てました。今後も注目の作家です!
難は、高校生の魂というか、分身というか、あれは一考の余地有りですね。
創造したい動機は解りますが、必然性や存在の仕方に一工夫欲しかったです。
次作にも期待!但し、この作家は桑原女史と違って、人間を温かな視線で視るのが旨いと思うので、犯罪をどう扱うのか少々疑問も交えての期待です。