振袖大火 公演情報 片肌☆倶利伽羅紋紋一座「ざ☆くりもん」「振袖大火」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    壮絶で華やかな舞台
    艶やかな着物で着飾った花魁の世界がテーマのお話し。
    非常に重いテーマだし、死に直面する場面もちょいちょい出てくる。
    しかし、その暗くなりがちな舞台を色鮮やかな着物と軽快な音楽とダンスと、そしてタイミング良く繰り出される笑いのシーンとで繋ぎ、全体的に楽しく見られる構成へと考えられてました。

    また、女性メインかと思いきや、文使い(ふみつかい)という郵便配達員のお兄さんの江戸っ子らしい気風の良い演技。
    首代(くびだい)という用心棒(?)みたいなお兄さんの渋い演技が良い味出してました。
    首代のモノマネのくだりが毎回笑いを誘って面白かったな。
    あと、寅吉とお鷹さんの掛け合い漫才。大好きです(笑)

    他に印象に残ったのは、エリザベス・マリーさんの見事な切れっぷりと回転芸。
    これは非常に思い切りが良く、ダイナミックで面白かった。

    木田さんはとても爽やかでクールな好青年を演じててかっこ良かったですね。
    しかし一転、子供時代は可愛い少年のよう。
    その世代の演じ分けもとても分かりやすくて上手かったです。

    軽辺るかさんは、まだ大人になっていない、幼くて純真な鯉ちゃんを熱演
    初恋の男性に憧れるいじらしい仕草。
    そんな微笑ましい少女の恋心を見事に全身で表現していました。
    そうかと思えば見事な迫力の連続蹴りを披露するし、顔芸も決めるし、何よりお祭りの場面のダンスが綺麗で素敵でした。
    元々バレエ歴が長く、お掃除ユニットCLEAR'Sというアイドルユニットではダンス部長を務める程の実力者。
    指先から足先までピンと気が通った軽やかな身のこなしが美しく、楽しく騒ぐお祭りのシーンにも関わらずその芸術的美しさに思わず涙が・・。
    ちょっとだけダンスソロのシーンがありましたが、あれもっと増やして欲しいなと思いました。

    ネタバレBOX

    物語の途中で、突然死んでしまった鯉ちゃん。
    あまりにも唐突でびっくりした・・。
    その殺害シーンはシルエット越しでしか見えないのですが、あれ、本人に聞いたところ毎回ちゃんと障子の向こうで演技しているそうですよ。
    どんな風に映っているか自分じゃ分からないから不安だとの事でしたが、位置関係バッチリで迫真の演技がちゃんと客席に伝わっておりました。
    お疲れさまでした。

    殺害後、最後に愛しのうーちゃんにしっかりと抱きしめられ、おぶられて運ばれて行く姿に「良かったね」と涙する印象的なシーンでした。。


    舞台のラストは、うっすらと雲がかかった満月の下。
    とっても幻想的で素敵なセット。
    まるで別世界のように美しい光景でした。
    最後にとても悲しい選択をした二人。
    相手を思うがゆえの、戸島さんの重大な決意と覚悟と思いやりに満ちた決断。
    悲しいけれど希望を感じる素敵なラストでしたね。

    ありがとうございました。

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    2015/08/25 23:15

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