明烏 -akegarasu- 公演情報 ブラボーカンパニー「明烏 -akegarasu-」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    東京湾
    落語の「芝浜」と「品川心中」をベースにキャラの立った登場人物が大活躍。
    廓話を場末のホストクラブに置き換えたのも成功していて、うら悲しさが上手く出ている。
    ピンポイントで大いに笑わせるがつなぎの部分が若干もたついた印象。
    特筆すべきは安藤聖さんの大熱演。
    素晴らしくブッ飛んだキャラを隙のないなりきりぶりで緊張感をキープ。
    小顔で細い方だが、最初の登場からパワー全開で線の細さを微塵も感じさせず素晴らしい。
    男性陣のホストぶりも「マジでいけるんじゃないか」というほど見事にハマっていて楽しい。

    ネタバレBOX

    新宿歌舞伎町のホストクラブの事務所が舞台。
    入り口のカーテンを開けると店のBGMが聞こえる辺り、芸が細かい。
    ここで働く人々の悲喜こもごもが露呈する場所としてうってつけのシチュエーション。

    借金の返済に困っている男が偶然ギャンブルで大儲けしてどんちゃん騒ぎ、
    目が覚めてみれば周りから「夢でもみたんだろ、それより借金返済どうするんだよ?!」
    と言われる始末。
    混乱する男、そこへアフリカから来た女が“金が無いのに遊んだ”と連れて来られる。
    借金取りに追われ、指名もない、金が入ったと思ったら夢だった、と絶望した男は
    アフリカ女と心中しようとして、女を先に海へ突き落す。
    自分もすぐに行こうと思ったら、「金が出来た!」と父親が駆け込んできて思いとどまる。
    もう二度とこんな借金はしないと誓う男に「実はギャンブルの金はあったんだ」
    と皆が告白。
    改心させるために、協力して芝居を打ったのだと謝る。

    夢ネタは「芝浜」から、心中ネタは「品川心中」から取った本歌取りだが、
    歌舞伎町のしがないホストクラブという設定が効いていてなかなかリアル。
    根っからの悪人が出てこないほのぼのした原作の雰囲気が良く出ている。

    アフリカのどこかの国から家出してきたという女が強烈で、パンチの効いたキャラが秀逸。
    安藤聖さんの隙のないなりきりぶりが功を奏して、コントにならず大変面白かった。
    ホスト達がまた「バイト出来そう」なくらい似合ってる。
    店長やチャラ男、銀行員みたいなホストまでいて、大いに笑った。
    新入りで態度のデカいホストが、ネタバレ後急におどおどするところなど
    とても可笑しかった。
    「仕事明けのお前たちはカラスだ、俺はそんなカラスが好きなんだ」という言葉、
    いい事言うねえ、店長!

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    2015/07/03 23:14

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