ポンコツ大学探険部 公演情報 ラッパ屋「ポンコツ大学探険部」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    安定した面白さ
    40代〜50代ぐらいへのエール(特におじさんへの)。
    それだけでなく、すべての世代に対して優しいし、寛容である。
    説教じみていないし。

    中年(初老?笑)世代と若者世代との対立的なギャップではない構図を見せてくれるのは、この劇団の持つ「優しさ」だったと思う。

    ネタバレBOX

    大学の探検部のOBが久しぶりに大学に集まっての、一夜の話。
    現役の大学生と、その中間にいる微妙な人々も。

    「人生は探検だ」というフレーズが一番このストーリーにしっくりくるように作られている。
    「いろいろあるけど、これからも頑張っていくぞ」的なラストは予定通りだが、ストーリーが単線ではなく、いくつかの人生を微妙にブレンドしてあるので、だれかの、そして、どこかのエピソードに「あるある」を感じることができるのではないか。

    笑いもいい感じだし、役者同士の絡みも安定していて、無理なく楽しめる。

    初のオーディションによる若者たちも、なかなか頑張っていたと思う。
    やや気負いすぎなのか、元気が良すぎる気もしないではないが(笑)。

    清美と雅子を演じた、岩橋道子さんと三鴨絵里子さんのやり取りが、テンポがよく、見ていて楽しい。
    2人とも、それ以外のシーンでもいい間で入ってくるなあ、と。

    ストーリーの後半に登場する村松武さんは、うまく笑わせてくれた。
    「何が面白いのかわからない」というギャグで笑わせるのだが、実際その設定で笑わせるというのは、結構ハードルが高いのではないか。
    しかし、すべて笑った。
    もちろん、台本の台詞の言葉選びがいいのは確かだが、それ以上に村松さんの技量と、それを受ける別の役者のタイミングがモノを言ったのではないかと思う。
    それをいとも簡単に見せ、笑うシーンにできるのは、役者たちの全体のレベルが高いからだろう。

    ただ、なんなく全体的に長すぎる感はある。
    それは、セットに問題があるように思える。
    部室のある屋上というのが、視覚的に地味だし、そこにいろいろな人が出入りするというのには、少々無理がある。
    台詞を言うために、理由を付けてそこに登場させているような苦しさを感じてしまった。

    40代〜50代へのエールなのだが、現役大学生とのコントラストや、彼らの中間にいるような、学生でもなく社会人といっても…な人々という設定も面白い。
    単なる世代間のギャップではなく、世代が続いていくような感覚がする。
    こういう設定であれば、ともすれば世代間ギャップによる対立の構造が描かれることが多いと思うのだが(もちろんそうしたぶつかり合いも少しはあるのだが)、どの世代にも互いを受容するような心が根底にあるので、対立には見えないのだ。甘いのかもしれないが、同じ大学のサークルだ、という土壌もあり、すんなりと受け入れることができたし、見ていて嫌な印象はない。

    すべての世代に対して優しいし、寛容である。
    説教じみていない。

    そこに、この劇団の持つ、優しさが見えたように思う。

    ラストに人生の探検への再出発を、登場人物の1人が行うのだが、その華々しい門出を全員が最初から最後まで拍手で送り出すものかと思っていたら、途中のちょっとした出来事で集中が途切れるというのも、ベテラン劇団のうまさではないかと思った。
    それは、「照れ」のようなものではなかったのか。
    作・演出はもちろん出演者たち自身にもタブってくるからか。

    世代によって異なるお揃いの「探検帽」というのは、少し面白い。

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    2015/07/01 18:57

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