「不条理な世界たち」 公演情報 シナリオクラブ「「不条理な世界たち」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    楽しめたが、疑問も...
    シナリオクラブの2015年発表会のテーマは「不条理」に挑戦。構成はリーディング4作品、ドラマメイキング3作品(連作にすると6作品)の計7作品であった。2時間15分(途中休憩10分)。全体としては面白いと思うが...。

    ネタバレBOX

    まず出演者は、舞台に上がるまで全員白衣を着て受付・会場案内をしていた。また受付(マチネ11時00分)から上演開始(11時30分)までの30分のうち、約15分を前説「携帯電話電源オフ」、「非常口の確認」等の注意案内をしている。たぶん出演者全員だと思うが、場内を歩きながら発声練習(?)を兼ねて輪唱(話)している。その光景は気味が悪い。

    さて公演であるが、「不条理」という言葉(定義)からして難しいと思ってしまう。国語辞書では「物事の筋道が立たないこと」らしい。さて、そのことを念頭に反芻してみると、不条理劇としては少し物足りない。不条理の筋道が見えてこない。何か倫理、道徳観の欠如を面白おかしく描いているようだが、そこにはアイロニーも感じられない。純粋に不思議な時間が来ないのだ。
    例えば、リーディング演目「暴走族」は、台詞の一部がプリントとして配布された。先輩・後輩が暴走しているが、その先輩が交通ルールを遵守し、過去違反歴がない...これが不条理か?(自分の観方が表層的か)。確かに、一般的には暴走族=交通ルール無視、爆音で周囲に迷惑等の反道徳的行為というイメージであり、社会的にみれば元々が不合理・不適切なこと。暴走族側から見れば不条理なのか。逆説的で非論理的なことだけ観れば面白い。

    不条理とは、多数を占める側の価値判断からするのだろうか。確かに多数決が民主主義という論理もあるが、多数がいつも正義なのか(戦前の例しかり、声をあげなければ平和が脅かされる)。その筋道をしっかり見据えないと、何が不条理なのか理解出来ない。

    テーマ不条理を扱ったことについて、チラシに俳優・清家栄一 氏のあとがき...「人生を楽しむことに長けているシナリオクラブメンバーたちは、瞳を輝かせながら、この難題をあっさりクリアして」とあるが、そうなのかな~と疑問に思いつつ会場を後にした。

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    2015/06/29 18:33

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