満足度★★★★
人情の機微に心震えた
やはり、人間関係の微細な描写力に掛けては、ニール・サイモンの右に出る作家はいないなと思いました。
一柳さんと宮本さんの、ニコルズ夫妻の関係は、一般的にはあまりない事例ですが、お二人の演技が素晴らしくて、まるで、ドキュメンタリーを観ているかのように、感情移入して、何度も涙腺が緩みました。
片や、もう一方のマイケルズ夫妻の方は、シチュエーションコメディ担当で、こちらには、大いに笑わせて頂きました。
酒井さんの演出が、素敵な塩梅で、この二組のカップルに、命を与え、観ていて、とても心地よいお芝居でした。
現実社会が、何もかも不安でいっぱいな昨今、せめて、芝居でぐらい、こういう素敵な人情に触れて、心を潤したくなります。