銀幕心中 公演情報 SPIRAL MOON「銀幕心中」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    丁寧な制作
    映画でいえば、長回しの名場面を観ているような感じである。通夜らしく鯨幕、葬具に棺おけが置かれている。その場にいる5人と...。
    その表現はカットバックではなく、幽魂が生前の姿となって現れる。
    その抱腹絶倒の果てにおとずれる感動場面は印象的である。

    ネタバレBOX

    死してまだ芸術...映画制作への拘りがある。原因不明(自殺か)で死去した映画監督、その制作途中の作品をどう完成させるか。その思惑が渦巻く通夜の席に集まっているのが、会社幹部(プロデューサー)、男優、撮影カメラマン、脚本家(監督の弟子)、女優の5名である。そして監督との思い出、関わりを話し出す。女優が登場(葬礼)するまでは、監督代行を誰にするか、その思惑をコミカルに描く。

    女優(主宰 秋葉舞滝子さん)が現れた場面からは、監督と男女の道行を情感たっぷりに観せる。この役者陣の臨場感あふれる演技力が素晴らしく、すぐに芝居に惹きつけられた。序盤はコメディ風に観せることで掴み、そのまま銀幕の世界が広がるような展開は観客の気を逸らさない。

    この監督代行が決まり...その途端に故監督が現れ(会葬者全員に見える)作品についてあれこれ言う。せっかく決まりかけていた撮影の目処が、尊大な監督の振る舞いで白紙に戻りそうになる。以降も監督の横暴な振る舞いに右往左往する。にもかかわらず、ラストが近づくにつれ、その場に居る人々は難題に立ち向かう映画人の顔つきになり、崇高にさえ見えてくる。

    この芝居が”映画シーン”のように思えるのは、魔術にかけられ素晴らしい夢を見ているからだろうか。

    次回公演も楽しみにしております。

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    2015/06/15 17:48

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