ゴベリンドン 公演情報 おぼんろ「ゴベリンドン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    まとめ

    最後の3公演に参加。
    回を重ねる毎にひとりひとりの思いが深くなっていくのを感じていた。そもそも語り部それぞれの表現力と身体能力については言わずもがなであるが、そのうえに、である。そして座る位置を変える度違った景色、違った表情が見て取れ、更に感慨深いものが生まれる。
    また客観的には、細部に至るまで、なんと練り上げられたストーリー展開であり、演出であるかと感嘆する。
    劇場の規模に対して、この脚本、この【おぼんろスタイル】でいいのか?の声もあったが、私はこれで正解だったと思う。何より【普遍性】という意味ではピカイチの物語。沢山の人にこの物語が届けられたことをとても嬉しく思う。しかし、もっと沢山の人達に伝えたかったとも思う。繰り返し与えて欲しい物語だ。
    ただもっと大きな会場になった場合、走り回るにも限界があり、隅々どこにいる人も漏らさず惹きつけておくためには更なる工夫が必要だろう。

    ネタバレBOX

    超主観的感想。
    土曜日マチネ。呪いに囚われたトシモリに語りかけるタクマ。「タクマとトシモリの8年虹色アゲハ、」そこから私の頭の中の【閉ざされた無限の脳内宇宙】に無数の蝶が飛び交い始めた。左脳のあたりにぽっかり浮かび上がったブラックホールのごとき空間に無数の蝶が見えた。終演後もずっと。
    ソワレ、その無限宇宙から一羽の蝶が劇場の空間に飛び出した。一羽だけ。きっとゴベリンドンが天国へ、娘のもとへ飛び立ったのだ。
    皆が皆、「怪我の責任の半分」を自覚する中、純真無垢なるタクマ。呪いを終結させるために生まれて来たんだね。
    千穐楽。
    回想シーン、母の葬儀から逃げ出したタクマを見つけたトシモリ。もうこの時点で蝶の群れが見えた。終盤は震えが止まらなくなった。泣きじゃくっていたわけではない。胸は熱くなっていたけれど冷静さは持ち合わせていた。だけど不思議なほどに震えが止まらなくなった。
    いろんな角度から観てそれぞれの表情など把握した上で、全員の気持ちに同時に寄り添うことができた。体の中で五人分、いや、もっとだね(笑)の感情が渦巻いていたから肉体の許容範囲を超えて震えが止まらなくなったのかもしれない。その為疲労度が半端なかった。これまで観劇でこれほど疲れた経験はない。貴重な体験でした。

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    2015/06/14 11:13

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