満足度★★★★★
初演と比べるのはナンセンス
初演を見た人はやはり、初演との違いを感じてしまうのかもしれないけど、あの廃工場と吉祥シアターではそもそもが違い過ぎる。
廃工場の雰囲気が物語の創造性を何倍にも増やしていたアレはもうない。
見る前からわかりきっている事なので、再演は再演としっかりと割り切って参加してきました。
驚きの吉祥時シアターがそこにはありました。
天井には大きな幕が張られ、まるでどこかのテーマパークに迷い込んだようなそんな気分に。四方八方のおぼんろ的な舞台づくりは今回も健在。
開場時からおぼんろの語り部達が、参加者を迎えることによって、場内のテンションがどんどん上がっている事が、伝わってきます。
いつもの前説から始まり、物語がスタート。
初演の時に何度も通い、聞いた最初の台詞から、鳥肌が立ちっぱなしでした。そして、後半では涙が止まりませんでした。
場所は変わっても、物語の美しさが変わることはなかったです。
おぼんろの5人から紡がれる物語は、
あまりにも美しく、切なく、心苦しいほどに愛おしい。
あの頃は無名だったおぼんろが、知名度を上げてきた今だからこそ、
この物語をもう一度持ってきた。
そして、この物語を少しでも多くの人たちに届けたい。
そんなおぼんろの想いが伝わってくるような公演でした。
演劇が好きな人にも、演劇には興味がない人にも、
一つのエンターテイメントとして、ただ素直に
この物語に触れたらいいのに、
そうすれば、きっと素敵な時間が過ごせるんじゃないかなと思います。